第49話 世界の果てのフラクタル【6】

文字数 1,173文字

 小学生時代の僕は、赤川次郎『三毛猫ホームズ』シリーズの大ファンだった。
 三毛猫ホームズの魅力に、僕はすっかりヤラれていた。

 その他、特筆すべきは、小学生のときの僕は漫画雑誌『コミックコンプ』を毎号買っていたのだが、漫画雑誌なのに、中に挟まって、違う種類の紙で小説が掲載され、それが格段に面白かったことで。
 漫画雑誌なのに小説が掲載されていたのが僕には新鮮だったし、ストーリーも最高だった。
 その会社は分裂し、名前をリニューアルしてその小説が『ソーサラー狩り 爆れつハンター』という名前で、創刊されたばかりの電撃文庫というところでスタート、中学生になった僕は熱心なファンになる。
 著者はあかほりさとる、……その関係で、僕はその爆れつハンターのラジオドラマもやっていた『ポリケロ』という、あかほりさとる先生のラジオのリスナーになる。
 さらにその関係で、僕は角川スニーカー文庫で出していた『MAZE☆爆熱時空』を、友人のギンから一気に既刊全部を貰い、そのうえ、ギンのツテであかほり先生のサイン色紙を貰うことが出来たのだった。
 未だに覚えているのは、あかほり先生の担当さんが開口一番、僕に「君はえろいねぇ」と言ったことだった。
 僕はエロガキだった。
 今もあまり変わらないけどね。
 あかほりさとるという作家は、たぶん〈ハーレムラノベ〉の開祖みたいな存在だ。
 のちに僕はいろんなラノベ読みのひとと出会うが、電撃文庫だとだいたいブギーポップかキノの旅から入門するのだが、僕だけ爆れつハンターという、最初期の作品からの愛読者だった。
 ちなみに『うぇぶらじ@電撃文庫』の第ゼロ回からのリスナーなので、2015年にひょんなことから電撃の名物編集者の三木一馬さんとお会いすることがあってサインを貰うとき、「初回からのリスナーなんですよー」と言ったら「じゃあ、すみぺでぃあとか知ってるんだー」と仰ってくれたのだが、実を言うとネットラジオどころか電撃文庫創刊当時からの読者なのだった……ッッッ!
 言えないけどね、何年ワナビやってるんだ、って話だから。
 あはは。


 そうそう、三毛猫ホームズの方に関してだけど、のちに僕は、赤川次郎先生の娘さんと同じ学校に通っていたひとと出会うことになり、その子は僕の部屋の居候になる。
 僕のやっていたバンドのドラムで、仮歌のお姉さんもやっていた子だ。
 聞いてみたら、赤川次郎先生が登壇し、学校で講演会を開いて、それを見た、というのだからびっくりだった。


 男性向きの話としては、そんなところだが、中学生のときの僕の読書は、友達の女の子たちから借りた小説を読む、というのが全てだったように思う。
 前述の通り、男性が摂取する小説も読んではいたけど、あまりに、借りて読んだ本の印象が強い。

 項を改めて、そっちの話も、書きたいと思う。





〈次回へつづく〉
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成瀬川るるせ:語り手

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