第71話 真夏の夜のサクリファイス【6】
文字数 1,055文字
前にこの小説内で書いたが、僕は芥川龍之介の短編が好きだった。
だが、熱心な読者ではなかった。
そこにカケが読めと言って読んだ『人間失格』から、僕は太宰治を読むようになり、太宰が芥川を尊敬していることを知り、また、深く芥川の小説に潜ることになった。
芥川龍之介は、アンブローズ・ビアスを短編の名手として紹介している。
ビアスとは、『悪魔の辞典』が主著で、だから皮肉や諧謔を得意とする作家として日本では知られている。
また、芥川龍之介は、ジェイムス・ジョイス『若い芸術家の肖像』を、褒めている文章が存在する。
高校生の時点では「ジョイス?」って感じだったが、のちにジョイスは僕がこだわる作家の一人になったのだから、不思議なものだ。
芥川は夏目漱石の主宰した木曜会のメンバーで、そこから僕は夏目漱石も読むことになる。
『こころ』の三部作も良いし、坊ちゃんも漫画みたいな感じのポップさを感じて読んだし最高だった。
青空文庫を、そのうちまた漁りたいな。
まだまだ読みたい文豪の作品は多く、そして、今は青空文庫があるのだ。
便利な世の中だよ、ったく。
☆
何度も言うが、僕は高校時代、漫画のコミックスを集めるだけのお金がなかった。
なので、読むのは、本、特に小説や詩歌になっていく。
メアリーは僕に竹本健治や綾辻行人をオススメしてきた。
また、演劇部では京極夏彦ブームが起こっていて、清涼院流水はミステリとしてどうなのか、という話題も、毎日飽きずにしていた。
講談社ノベルスの、鈍器にもなる分厚い小説を書くメンバー勢ぞろいって感じだ、思い返すと。
僕は文学少年ではないので、読みはするけど、「ふ〜ん」と気がないふりをして過ごす。
柳美里『水辺のゆりかご』や内田春菊『ファザーファッカー』が好きで、これに『愛より速く』でもくわえれば完璧なエロガキである。
余談だが、のちに僕は桜井亜美の熱心なファンになる。
エロガキだった、間違いない。
話がズレたので、戻そう。
僕は、お金がなかった。
親からは「部活なんて辞めろ。受験勉強をしろ!」と、ぶん殴られた上に、一日300円だけ渡されて、それで食事や交友費などを全部、どうにかしろ、とのことだった。
マイハートハードピンチ。
そして、メアリーは夜八時に眠り、早朝、校門が開いたと同時に学校敷設の図書館にいるので、早起きして僕も図書館へ行く。
予鈴がなったところでメアリーを保健室まで見送ってから、一日がスタートであった。
いよいよ、のーみそが狂ってしまってきていた。
〈次回へつづく〉
だが、熱心な読者ではなかった。
そこにカケが読めと言って読んだ『人間失格』から、僕は太宰治を読むようになり、太宰が芥川を尊敬していることを知り、また、深く芥川の小説に潜ることになった。
芥川龍之介は、アンブローズ・ビアスを短編の名手として紹介している。
ビアスとは、『悪魔の辞典』が主著で、だから皮肉や諧謔を得意とする作家として日本では知られている。
また、芥川龍之介は、ジェイムス・ジョイス『若い芸術家の肖像』を、褒めている文章が存在する。
高校生の時点では「ジョイス?」って感じだったが、のちにジョイスは僕がこだわる作家の一人になったのだから、不思議なものだ。
芥川は夏目漱石の主宰した木曜会のメンバーで、そこから僕は夏目漱石も読むことになる。
『こころ』の三部作も良いし、坊ちゃんも漫画みたいな感じのポップさを感じて読んだし最高だった。
青空文庫を、そのうちまた漁りたいな。
まだまだ読みたい文豪の作品は多く、そして、今は青空文庫があるのだ。
便利な世の中だよ、ったく。
☆
何度も言うが、僕は高校時代、漫画のコミックスを集めるだけのお金がなかった。
なので、読むのは、本、特に小説や詩歌になっていく。
メアリーは僕に竹本健治や綾辻行人をオススメしてきた。
また、演劇部では京極夏彦ブームが起こっていて、清涼院流水はミステリとしてどうなのか、という話題も、毎日飽きずにしていた。
講談社ノベルスの、鈍器にもなる分厚い小説を書くメンバー勢ぞろいって感じだ、思い返すと。
僕は文学少年ではないので、読みはするけど、「ふ〜ん」と気がないふりをして過ごす。
柳美里『水辺のゆりかご』や内田春菊『ファザーファッカー』が好きで、これに『愛より速く』でもくわえれば完璧なエロガキである。
余談だが、のちに僕は桜井亜美の熱心なファンになる。
エロガキだった、間違いない。
話がズレたので、戻そう。
僕は、お金がなかった。
親からは「部活なんて辞めろ。受験勉強をしろ!」と、ぶん殴られた上に、一日300円だけ渡されて、それで食事や交友費などを全部、どうにかしろ、とのことだった。
マイハートハードピンチ。
そして、メアリーは夜八時に眠り、早朝、校門が開いたと同時に学校敷設の図書館にいるので、早起きして僕も図書館へ行く。
予鈴がなったところでメアリーを保健室まで見送ってから、一日がスタートであった。
いよいよ、のーみそが狂ってしまってきていた。
〈次回へつづく〉