第53話 世界の果てのフラクタル【10】

文字数 1,285文字

 僕の高校時代。
 高校生になっても、女子は男子が退出した後の教室で体育の授業のための着替えをしていた。
 体育が終わったあと、体操着から制服に着替えているのが、見える。
 男子は女子が着替え終わるまで廊下で待機だ。
 でも、教室の横開きのドアの窓ガラスから、普通に女子が着替えているのが見える。
「これ、観ようとすれば観られるし、教室に入っても問題ないのではないか?」
 そう、僕は考えた。
「嫌ならば追い出すか訴えるか殴られるか、するだろう」
 僕はそんなことを考えて、教室の扉を開ける。
 ドアを閉めて、自分の席に座る。
 そして、教室を眺め回す。
 誰も怒らない。
 特に遊んでいる子や、自分は遊んでいると思わせたい子は、僕が観ると、逆に下着をわざと見せてくれた。
 クラスのどんな子がどんな下着を着けているか、詳しくなる僕だった。
 それは一年生の頃から、三年生の頃まで、ずっと続いた。
 もしかしたら、それもあってホモ疑惑が加速したのかもしれなかったが、僕は三年間、見続けた、女子の着替えを、生で、間近で。
 今回は下着の話だ。







 一年生のとき、一緒のクラスだった不良少女がいて、そいつは僕に制服のスカート姿で蹴りを、よく入れてきた。
 躱すこともあるが、基本的には蹴りを受けることに決めていた。
 その頃の女子のスカートは、腰の所を折り返して、スカート丈を短くするのが流行っていた。
 なので、スカート丈が短いために不良少女のぱんつは丸見えだった。
 ぱんつを見届けているうちに蹴りが入る。
 蹴りは痛かったが、その子は不良な行動をするが、いつも、もふもふした白いぱんつを着用していた。
 可愛い奴だな、と内心思っていた。
 ギャップには惹かれるものがある、というものだ。
 その不良少女の、高校一年生時代の親友が、のちに生徒会長になる生徒会役員の子だった。
 その子、つまりのちの生徒会長も、白いもふもふぱんつを常に着用する女の子だった。
 どれくらい会長がもっふー好きなのかと言うと。
 それは高校の卒業式の日。
 結局三年間一緒のクラスだった生徒会長と僕は卒業式とホームルームが終わったあと、最後に校舎の掃除をしよう、ということになって、生徒会長と一緒に廊下の階段の踊り場で清掃活動をしていたとき見えた生徒会長は白いもふもふぱんつだったことから、どれだけもっふー好きだったのかがわかるというものである。
 と、言うよりも高校生活の、最後の最後に生徒会長のもふもふぱんつを間近で堪能した僕は思わず、
「我が高校生活に悔いなしッッッ!」
 と、ガッツポーズを決めるほどだった。
 女子の白いもふもふぱんつは最高だと、今も思っている。
 そして、僕が三年生のときに一年生のメアリーもまた、白いもふもふぱんつの愛好家だった。
 もっふーこそ至高ッ!
 そう言わざるを得ない。

 なお、演劇部の部長は水色の線が入った縞々ぱんつを着用していることが多かったことも、付け加えておこう。


 今日はセクハラに該当するかもしれない話だが、外野のことは知らない。
 クラスの女子たちは普通に僕に下着を見せてくれた、というだけの話だ。




〈次回へつづく〉
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成瀬川るるせ:語り手

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