殷仲文2 泉下の殷仲堪

文字数 359文字

桓玄(かんげん)殷仲堪(いんちゅうかん)を殺した後の事である。

桓玄の配下には、殷仲文(いんちゅうぶん)がいた。
殷仲堪の従兄弟である。

桓玄は問う。

「きみの親戚の殷仲堪は、
 さて、どんな感じの人だったかな」

殷仲文は答える。

「この世の中は照らせませんでしたね。
 ただ、あの世は
 照らしていることでしょう」



殷仲堪喪後,桓玄問仲文:「卿家仲堪,定是何似人?」仲文曰:「雖不能休明一世,足以映徹九泉。」

殷仲堪の喪さる後、桓玄は仲文に問うらく:「卿が家の仲堪、定めし是れ何ぞの人に似たらんか?」と。仲文は曰く:「一世の休明たる能わざると雖も、以て九泉を映徹せるに足る」と。

(賞譽156)



自分が死に追いやった相手のことを親戚に聞くとか、いったいどういう神経なんだかよくわかんねえんだけど、けど劉裕(りゅうゆう)謝晦(しゃかい)みたいなケースもあるしなあ。この辺のやり取りが発生する原理的なものは気になる。
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