謝安20 踊り子に触るな
文字数 408文字
あの
まーそう言う感じだ。
例えば、謝安さまの家に芸妓が来た時。
劉氏、芸妓の前にカーテンを下ろした。
で、カーテンの前に出して
芸を披露させる。
その様子を少しだけ謝安さまに見せると、
すぐさまカーテンの向こうに
押しやってしまうのだ。
「も、もっと見せてはくれんのか!」
ぶーたれる謝安さま。
すると劉氏は言う。
「公の盛徳に傷がつくのを
恐れているのですわ」
謝公夫人幃諸婢,使在前作伎,使太傅暫見,便下幃。太傅索更開,夫人云:「恐傷盛德。」
謝公の夫人は諸婢に幃し、前に在らしめて伎を作さしむ。太傅をして暫し見せしめ、便ち幃を下す。太傅の更に開かるを索むるに、夫人は云えらく:「盛德の傷むるを恐る」と。
(賢媛23)
劉氏
いつまでも芸事にうつつを抜かすなんぞ士大夫らしくございません事よ? と言ったあたりだろうか。とか言いながら「芸妓の奴に旦那と遊ばせる隙は与えさせねえよ」辺りが本命のように思えてな。