桓温8  寝た子を起こす

文字数 430文字


桓温(かんおん)さま、劉惔(りゅうたん)の家に訪問した。

が、劉惔、起き上がろうともしない。
なので桓温さま、劉惔の枕めがけて
弾弓(だんきゅう)を打ち付ける!

ぇえ……。

枕をはじいた後、
弾丸は床の辺りで砕け散た。
あっおもちゃだったんですね。

ビビるのは劉惔である。
慌てて起き上がり、悲鳴のように言う。

刺史(しし)、あ、アンタこんなとこで、
 誰と戦おうってんですか!
 アホですか!」

起きなかったお前がわりいんじゃんよ、
桓温さま逆恨みモードに突入であった。



桓大司馬詣劉尹、臥不起。桓彎彈、彈劉枕、丸迸碎床褥間。劉作色、而起曰:「使君、如馨地、寧可鬬戰求勝?」桓甚有恨容。

桓大司馬は劉尹を詣でるも臥して起きず。桓は彈を彎き、劉が枕を彈かんとす。丸の迸るに、床褥の間にて碎かる。劉は色を作し、起きて曰く「使君は馨くの如き地に、寧んぞ鬬戰し勝を求むべけんや?」と。桓にては甚だ恨める容有り。

(方正44)


「なぜ起きてこなかったのか」がわかんないんだよなあ。桓温と劉惔の関係性は、ちょっと今の段階だと上手くさらい切れないですね。
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