曹叡1  高い高い陵雲台1

文字数 476文字

明帝さま、陵雲台(りょううんだい)、と呼ばれる
展望台を建築させた。

これがまた一級の芸術品。
組み立てに使うすべての木材の重さを計量、
それに基づいた、精緻なバランス感覚で
構築された。

陵雲台はめっちゃ高い。
風に吹かれて揺れまくるが、
けど倒れそうな気配もない。

さて明帝さま、のぼってみてビビった。
揺れる。マジで怖い。

なので丈夫な支え木で、台を支えさせた。
ら、台は壊れた。

ある論者が言う。
「あーあ、変にバランス崩すから……」。



陵雲臺樓觀精巧,先稱平眾木輕重,然後造構,乃無錙銖相負。揭臺雖高峻,常隨風搖動,而終無傾倒之理。魏明帝登臺,懼其勢危,別以大材扶持之,樓即穨壞。論者謂輕重力偏故也。

陵雲臺の樓觀の精巧たるは、先に眾木の輕重を稱りて平らげ、然る後に構えて造らば、乃ち錙銖も相い負く無し。臺の揭ぐること高峻にして、常に風に隨いて搖れ動きたると雖ど、而して終には傾倒の理無し。魏の明帝は臺に登れるに、其の勢の危きを懼れ、別に大材を以て之の持するを扶けんとするに、樓は即ち穨壞す。論者は輕重の力の偏れる故なりと謂う。

(巧蓺2)



論者も何ほざいてんだ。建築基準法にしょっ引かれちまえ。
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