桓彝   マンスカウト

文字数 772文字

庾亮(ゆりょう)さま、護軍将軍になり、
人手が足りなくなりつつあったので、
桓温(かんおん)パパである桓彝(かんい)
誰かいい人がいたら教えてほしい、
と依頼した。

それから数年後、
桓彝さん、一人旅の途上で
偶然出会った徐寧(じょねい)と言う人に惚れる。

これはまさに庾亮さまの求める人材だ、
そう思い、徐寧を庾亮さまに紹介した。

「人々が持っているものを、
 彼が持っているとは限りません。

 しかし、誰も持っていないものを
 彼が持っていないとも限りません。

 ただ言えるのは、彼が海岱(かいたい)の地、
 つまり山東半島エリア一の
 名士である、という事です」
 


庾公為護軍,屬桓廷尉覓一佳吏,乃經年。桓後遇見徐寧而知之,遂致於庾公曰:「人所應有,其不必有;人所應無,已不必無。真海岱清士。」

庾公の護軍為るに、桓廷尉に一なる佳吏を覓めんと屬し、乃ち年を經る。桓は後に遇たま徐寧に見え之を知り、遂に庾公に致して曰く:「人の應に有るべき所は、其れに必ずしも有らじ;人の應に無かるべき所は、已に必ずしも無かりき。真に海岱の清士たり」と。

(賞譽65)



徐寧
いま人名索引引いたら存在してなくて笑った。マジか。庾亮さまに引き立てられたのがきっかけで累進し、江州刺史にまで上り詰めている。家門的なこと考えれば大出世だったんじゃなかろうか。

ところでこの人、徐羨之(じょせんし)と繋がりあるのかなあ……と思って調べたらドンピシャ、祖父でした。ここに繋がるかー。この人が刺史にまで上り詰めたってのに息子の徐祚之(じょそし)は県令どまりだから、家門としてはどうしても漸退と言う感じだったろう。そしたら徐羨之が偶然桓脩(かんしゅう)の下で劉裕(りゅうゆう)の同僚になったもんだから一発逆転。うーん思いがけない奇縁。一方の劉裕も県令の曽祖父>太守の祖父>夭折のため郡功曹止まりだった父、という家系なので、割と徐羨之とは家門が同じくらいなんですよねー。劉裕、貧乏は貧乏でも、それなりの家門には生まれてるんです。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み