陳蕃2  汝南の周乗

文字数 619文字

後漢の大物、陳蕃(ちんばん)さん。
そのかれに嘆息させた人がいる。
周乗(しゅうじょう)と言う。

陳蕃は言っている。

「周乗殿のようなものこそ、
 国を導く器のお方、というべきだ。

 宝剣に例えるならば、干将(かんしょう)だろうかな」
 

そんな周乗のコメントも残っている。

「私がしばらく黄憲(こうけん)に会わずにいると、
 卑しき心が芽生えているのだ」



陳仲舉嘗歎曰:「若周子居者,真治國之器。譬諸寶劍,則世之干將。」
陳仲舉は嘗て歎じて曰く:「周子居が若き者、真に治國の器なり。諸寶劍に譬うるに、則ち世の干將なり」と。
(賞譽1)

周子居常云:「吾時月不見黃叔度,則鄙吝之心已復生矣。」
周子居は常に云えらく:「吾れ、時月に黃叔度を見ざらば、則ち鄙吝の心、已に復た生じたらん」と。
(德行2)



周乗
汝南(じょなん)のひと。陳蕃や黄憲以外とはまともに付き合おうとしなかったらしい。そう言う人付き合いの少なさが災いしたか幸いしたか、太守くらいまでしか出世していない。ただ党錮(とうこ)の禁で捕まったとは書かれていないので、何とかその辺りの難は逃れたのだろう。

干将
こう言うサイトを見るのが良い気がする。
https://prometheusblog.net/2017/02/13/post-2573/
要するに中国古代の伝説中に残される宝剣の中でも特に著名な奴のうち一つ。だいたい莫邪(ばくや)とワンセット。

黄憲
汝南郡の名士。ちなみに後漢書を読むと、周乗のコメントは陳蕃さんも言っている。まー三人でワンセット、みたいな人たちだったのでしょう。次話にも登場します。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み