習鑿歯2 名士論議

文字数 854文字

王坦之(おうたんし)伏滔(ふくとう)習鑿齒(しゅうさくし)に、
それぞれの出身地である
青州(せいしゅう)荊州(けいしゅう)の人物について論じさせた。

それらのやり取りをまとめたものを、
韓伯(かんはく)に見せる。
すると韓伯、無言。

「韓伯殿、どうして何も
 言ってはくれぬのだね?」

王坦之が聞くと、韓伯は答える。

「良くも悪くもありませんので」



王中郎令伏玄度、習鑿齒論青、楚人物。臨成,以示韓康伯。康伯都無言,王曰:「何故不言?」韓曰:「無可無不可。」

王中郎は伏玄度、習鑿齒に令し青、楚が人物を論ぜしむ。成るに臨まば、以て韓康伯に示す。康伯は都べて言無かれば、王は曰く:「何ぞの故に言せざらんか?」と。韓は曰く:「可無く不可無し」と。

(言語72)



韓伯さん冷たい、冷たいよそれ!

さて劉孝標(りゅうこうひょう)は、この時の二人がどんな人物をリストアップしたかも紹介してくれている。お陰でこの条の注はアホみたいに厚い。紹介してみましょう。


青州の人物。

春秋時代:
鮑叔、管仲、隰朋、召忽、輪扁、寧戚、麥丘の人、逢丑父、晏嬰、涓子
戦国時代:
公羊高、孟子、鄒衍、田單、荀子、鄒奭、莒大夫、田子方、檀子、魯連、淳于髡、田盼、田光、顏歜、黔子、陳仲子、王叔、即墨大夫
前漢:
伏勝、終軍、東郭先生、叔孫通、石奮、東方朔、安期先生
後漢:
伏恭、江革、逢萌、禽慶、承宮、徐防、薛方、鄭玄、周璆、劉寵、臨孝存、侍其、元矩、孫崇、劉仲謀、劉岱、王璋、郎宗、禰衡、劉成國
魏:
管寧、邴原、華歆、徐幹、任嘏、伏高陽


荊州の人物。

神農、漢広、子文、叔敖、接輿、漁父、漢陰の丈人、宜僚、屠羊、老萊夫妻、屈原、鄧禹、卓茂、龐公、龐士元、何晏、鄧颺、樂広
あと伏羲、少昊、舜は荊州に葬られた。
それから赤眉の乱とか黃巾の乱みたいなのは起こってない。


いや人物語れっつわれてんだから誰が葬られたのかとか乱が起こった起こらないとかどうでもいいでしょうよ……注ではこのやり取りが伏滔の圧勝だったと語るのだが、このピックアップから見れば伏滔のほうがしっかりテーマに噛み合った論を展開し、しかも弾数も多いし、そりゃ勝つわな、と言う感じである。

えっ各人物についての解説?
しませんよ?
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