華歆1  華氏と陳氏

文字数 869文字

華歆(かきん)と言えば、子弟を厳正に躾けていた。

たとえ自宅にあっても、
その振る舞いの折り目正しさは
典礼の最中であるがごときであった。

一方で、陳紀(ちんき)陳諶(ちんじん)の兄弟。
二人はほんわかはんなりとした
振る舞いを旨としていた。

そんな全然違う両家の人間であったが、
どちらの家も、和やかな雰囲気であった。


ついでに、
華歆さんの子孫にも触れておこう。
そのひ孫、名は華軼(かいつ)
同世代の名士、劉琨(りゅうこん)さんからは
こう評されている。

「頭はあんまりよくないが、
 それを補って余りある強さだな!」

なお反乱を起こして殺されている。



華歆遇子弟甚整,雖閒室之內,嚴若朝典。陳元方兄弟恣柔愛之道,而二門之裡,不失雍熙之軌焉。
華歆は子弟を甚だ整え遇し、閒室の內と雖ど、嚴なること朝典が若し。陳元方が兄弟は柔愛の道を恣とせど、二門の裡にては、雍熙の軌を失わず。
(德行10)

劉越石云:「華彥夏識能不足,彊果有餘。」
劉越石は云えらく:「華彥夏が識能は足らざるも、彊果に餘有り」と。
(識鑒9)



華歆
プロフィールを見ると誰からも尊敬の念を得られていてすさまじい。そんな彼については、Wikipedia が端的にまとめてくれた「仕えた君主一覧」が全てを語っているだろう。何進(かしん)袁術(えんじゅつ)孫策(そんさく)孫権(そんけん)→曹操→曹丕(そうひ)曹叡(そうえい)、である。と言っても孫策孫権時代はやや賓客っぽい扱いだったようだが。

陳紀、陳諶
陳羣(ちんぐん)さんの父親と、叔父。潁川(えいせん)陳氏で紹介するよりはこっちだな、と思ったのでこちらに。ただ問題があって、この二人、華歆より30歳近く年上なのよね(華歆157生、陳紀129生)。なんでこんな世代の違う両者を並び立ててるのかが謎。「当時、それだけすごかった人」ってことなのかもしれないけど、うーん。

華軼
西晋系武将として、八王の乱~永嘉の乱あたりで活躍した。基本的に忠臣だがだいぶ人の話を聞かない口で、それで色々こじらせた末仲違いで殺されたそうである。劉琨さんの言葉を借りれば、強かったがそれを補って有り余るほど人に嫌われてた、という感じになるかな! 下手にあの辺で紹介しても浮くので、それなら子孫枠と言うことでこちらにお越し頂きました。
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