庾亮16 明帝問えらく

文字数 531文字

明帝は謝鯤(しゃこん)に問う。

「君と庾亮(ゆりょう)とでは、どう違うかな?」

謝鯤が答える。

「官僚たちをビシバシ締め上げるのは
 庾亮の方が上です。
 山野を散策するのを楽しむ心は、
 私の方が上です」


また明帝、周顗(しゅうぎ)にも聞いている。

「君と庾亮では、どう違うだろうか」

周顗が答える。

「自由気ままで伸びやかであること、
 この極致で亮は臣に届きません。
 宰相の器であれば、臣は亮に届きません」


うーんこの有能堅物評。



明帝問謝鯤:「君自謂何如庾亮?」答曰:「端委廟堂使百僚準、則臣不如亮。一丘一壑、自謂過之。」
明帝は謝鯤に問うらく「君は自らを謂うに庾亮とでは何如」と。答えて曰く「端より廟堂を委ね百僚を準せしむるに、則ち臣は亮に如かず。一なる丘、一なる壑を自ら謂ゆるは之に過ぐ」と。
(品藻17)

明帝問周伯仁:「卿自謂何如庾元規?」對曰:「蕭條方外、亮不如臣。從容廊廟、臣不如亮。」
明帝は周伯仁に問うらく「卿は自らを謂うに庾元規とでは何如?」と。對えて曰く「方外に蕭條たるに、亮は臣に如かず。廊廟に從容なるに、臣は亮に如かず」と。
(品藻22)



謝鯤
陳郡謝氏の繁栄の実質的な始祖みたいな感じの人。けど繁栄したのは弟の謝裒(しゃぼう)の系統だってゆう。王敦(おうとん)系の人材ではあったがあんまり深くは関わり過ぎず、豫章(よしょう)で善政を布いた。
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