王坦之2 王文度評価さる

文字数 741文字

王坦之(おうたんし)について。
「間近で見ていれば、とても楽しいのだ。
 だか、何故なのかな、ひとたび立ち去ると
 まるで記憶に残っておらん」

いつも口うるさく
ピーギャーわめきたてられてるのを
スルーできてたのは、
そう言う事なんですね……。


謝玄(しゃげん)王坦之(おうたんし)と初めて会った時のことを
こうコメントしている。

「それとなく出会ったのだが、
 いざ話してみると、その心地良さに
 つい夜更けまで話してしまったよ」 


また、ちまたには
王坦之を謝玄と比較する人がいた。

それを聞いた謝玄、
こうコメントしている。

「俺とかれと、での違いは分からん。
 ともあれかれは、物事を
 こつこつと成し遂げる人だよ」



謝太傅道安北:「見之乃不使人厭,然出戶去,不復使人思。」
謝太傅は安北を道うらく:「之に見ゆれば乃ち人をして厭かしまざれど、然るに戶より出で去るに、復は人をして思わしめず」と。
(賞譽128)

謝車騎初見王文度曰:「見文度雖蕭灑相遇,其復愔愔竟夕。」
謝車騎は初に王文度に見えて曰く:「文度に見ゆるに蕭灑たるを相い遇せると雖も、其れ復た愔愔として夕を竟う」と。
(賞譽149)

有人以王中郎比車騎,車騎聞之曰:「伊窟窟成就。」
人の以て王中郎を車騎と比ぶる有らば、車騎は之を聞いて曰く:「伊れは窟窟として就きて成さん」と。
(品藻72)



王坦之は謝安と共に桓温の野望を食い止めた人。その時の振る舞いがもとで謝安の風下につけられた、ということにはなっているものの、「それまではほぼ対等として扱われていた」ことがとても重要でありましょう。

謝玄とは桓温の幕僚であった時代に同僚という間柄です。幕僚というか、先輩後輩? やや浮つきのある謝玄と比較すれば、とにもかくにも着実堅実、という感じだったんでしょうね。なおその息子が王国宝。オチのつき方がマジでしんどい。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み