庾亮11 射られた船頭

文字数 479文字

庾亮(ゆりょう)さま、建康(けんこう)に攻め寄せてきた
蘇峻(そしゅん)と戦い、敗北。

わずか十余人の手勢を連れ、
温嶠(おんきょう)さんの元に落ち延びん、と
小舟に乗り込む。

が、蘇峻軍はそんな
庾亮さんの元にも襲い掛からんとする。

追い付かれるまい、と
庾亮さんの側仕えたちが
弓矢でもって攻撃。

すると、その矢が間違って
自分の船の船頭に当たる!

倒れる船頭。
パニクる船員。

だが庾亮さま、
さして動揺するそぶりも見せずに
言い放つ。

「おいおい、そんな腕では
 賊を打ち倒せんではないか」

他でもない庾亮さまの
この泰然とした振る舞いに、
船員たちはたちまち
落ち着きを取り戻すのだった。



庾太尉與蘇峻戰,敗,率左右十餘人,乘小船西奔。亂兵相剝掠,射誤中柂工,應弦而倒。舉船上咸失色分散,亮不動容,徐曰:「此手那可使箸賊!」眾迺安。

庾太尉は蘇峻と戰いて敗れ、左右に十餘人を率い、小船に乘りて西に奔る。亂兵の相い剝掠せるを射んとせば誤りて柂工に中り、應弦し倒る。船上を舉げて咸な色を失い分散せるも、亮が容は動かず、徐ろに曰く:「此の手をして、那んぞ賊に箸かさしむべからんや!」と。眾は迺ち安んず。

(雅量23)



(何を言っていいのかよくわかんない顔)
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