第188話 番外編短編・アニョーパスカル
文字数 963文字
葉本美琴は、ニコニコ顔で福音ベーカリーへ向かっていた。天界での同僚がパン屋をやっていると聞いた。これは行くしかない。しかも事前にアニョーパスカルという羊型のケーキも予約しておいた。パン屋だが、同僚という事でケーキも作ってくれる事になった。
この羊型のケーキは、復活祭で食べらているものだ。確かフランスで作られているケーキだ。神様が十字架にかけられ、三日目に復活された事を祝うのが復活。聖書では生贄の羊はそんな神様の事をさす。本来なら復活祭は、ウサギや卵ではなく、羊をシンボルにして欲しいのだが、これで子供達が教会に興味を持つのなら仕方ない。あんまり起源云々と騒ぐのも賢くはない。
美琴は、普段はとある任務を人間として行っていた。極秘任務なので、一応このパン屋の同僚にも黙っておこう。
「ミミエルじゃん! 久しぶり! 今は美琴さんなんだね?」
パン屋には同僚もチル、今は橋本瑠偉がいた。美琴も久々の再会に、自然と笑みが溢れていた。
小さな店内のテーブルには、色々なパンが陳列されていた。あんぱんやカレーパンなども定番品もあるが、今は復活祭という事で、コロンバやパスクワの羊なども並んでいる。特に羊型の砂糖菓子のパスクワの羊は、かなり目立っていた。ウサギの形のパンやゆで卵のパンも置いてあったが、パスクワの羊の方が圧倒的に目立っていた。表情も一つ一つ違い可愛い。レアな黒羊もいて、美琴は思わず笑ってしまう。
「これ、予約してたのだよ」
「ありがとう!」
さっそく予約していたアニョーパスカルを受け取る。こちらもパスクワの羊に負けないぐらい良い表情をしている。首には大きなリボンをしていて可愛い。こんがりとした焼けたボディも美味しそう。
「瑠偉、天界にはいつ帰る?」
「まあ、色々忙しくてね」
「そっかぁ。私も極秘任務があるのね」
「2号店こっちで作ってるっていう噂聞いたよ?」
「わ、なんかバレてそう」
しばらく馴染みの同僚と話し、美琴の表情もすっかりリラックスしていた。今の肉体瑠偉は、イケメンだったが、中身は天使らしく、全く色気はなかった。
「じゃあ、このケーキ家に帰ってゆっくり食べるわ」
「うん。絶対美味しいからね」
「ええ」
しばらく同僚と話し、すっかり元気になってきた。アニョーパスカルも楽しみだ。
美琴は笑顔で福音ベーカリーを後にした。
この羊型のケーキは、復活祭で食べらているものだ。確かフランスで作られているケーキだ。神様が十字架にかけられ、三日目に復活された事を祝うのが復活。聖書では生贄の羊はそんな神様の事をさす。本来なら復活祭は、ウサギや卵ではなく、羊をシンボルにして欲しいのだが、これで子供達が教会に興味を持つのなら仕方ない。あんまり起源云々と騒ぐのも賢くはない。
美琴は、普段はとある任務を人間として行っていた。極秘任務なので、一応このパン屋の同僚にも黙っておこう。
「ミミエルじゃん! 久しぶり! 今は美琴さんなんだね?」
パン屋には同僚もチル、今は橋本瑠偉がいた。美琴も久々の再会に、自然と笑みが溢れていた。
小さな店内のテーブルには、色々なパンが陳列されていた。あんぱんやカレーパンなども定番品もあるが、今は復活祭という事で、コロンバやパスクワの羊なども並んでいる。特に羊型の砂糖菓子のパスクワの羊は、かなり目立っていた。ウサギの形のパンやゆで卵のパンも置いてあったが、パスクワの羊の方が圧倒的に目立っていた。表情も一つ一つ違い可愛い。レアな黒羊もいて、美琴は思わず笑ってしまう。
「これ、予約してたのだよ」
「ありがとう!」
さっそく予約していたアニョーパスカルを受け取る。こちらもパスクワの羊に負けないぐらい良い表情をしている。首には大きなリボンをしていて可愛い。こんがりとした焼けたボディも美味しそう。
「瑠偉、天界にはいつ帰る?」
「まあ、色々忙しくてね」
「そっかぁ。私も極秘任務があるのね」
「2号店こっちで作ってるっていう噂聞いたよ?」
「わ、なんかバレてそう」
しばらく馴染みの同僚と話し、美琴の表情もすっかりリラックスしていた。今の肉体瑠偉は、イケメンだったが、中身は天使らしく、全く色気はなかった。
「じゃあ、このケーキ家に帰ってゆっくり食べるわ」
「うん。絶対美味しいからね」
「ええ」
しばらく同僚と話し、すっかり元気になってきた。アニョーパスカルも楽しみだ。
美琴は笑顔で福音ベーカリーを後にした。