第58話 幸せなラージクリンゲル(4)完
文字数 636文字
季節が流れた。
春から夏になり、秋が過ぎあっという間にクリスマス時期になった。
あれから真面目なクリスチャンになった光は、毎日のように教会に通い、ゴスペルの練習をしていた。ゴスペルシンガーの城島翠や元歌手の戸田美穂子もなぜか参加していたりして、歌声は、いつもより賑やかだった。
ゴスペルの練習が終わったら、福音ベーカリーに寄るのが日課になっていた。もう蒼の姿はなく、知村紘一と知村柊という男がパン屋を営んでいた。紘一は、蒼と違い、色黒で、トラックの兄ちゃんみたいな雰囲気の男性だった。柊とは兄弟のようで、仲良し兄弟としてちょっと有名だった。店の雰囲気も少し変わり、商品もハード系のパンも増えていた。看板犬のヒソプは相変わらずで、時々光も散歩に連れ出したりしていた。
光が店に立ち寄ると、紘一もいつも気にかけてくれる。もうすぐクリマスなので、シュトレンやツリー型のパンもある。店内にはツリーも飾られ、オーナメントにはアイシングクッキーも飾ってあって可愛い。壁にはアドベントカレンダーカレンダーもあり、毎日聖書の御言葉も楽しめる。ヒソプの首輪もいつもと違って赤と緑のオシャレなものになっていた。
「光ちゃん、信仰生活は順調かい?」
「ええ、おかげで。実は卒業したら、神学校に行きたいんだけど、どう思う?」
ゴスペルの練習をしていると、そんな思いがふっと湧き上がる事もあった。
「うーん、それは、まず祈って神様に相談しな」
「ワン!」
紘一の言葉に、ヒソプが同意するように吠えていた。
春から夏になり、秋が過ぎあっという間にクリスマス時期になった。
あれから真面目なクリスチャンになった光は、毎日のように教会に通い、ゴスペルの練習をしていた。ゴスペルシンガーの城島翠や元歌手の戸田美穂子もなぜか参加していたりして、歌声は、いつもより賑やかだった。
ゴスペルの練習が終わったら、福音ベーカリーに寄るのが日課になっていた。もう蒼の姿はなく、知村紘一と知村柊という男がパン屋を営んでいた。紘一は、蒼と違い、色黒で、トラックの兄ちゃんみたいな雰囲気の男性だった。柊とは兄弟のようで、仲良し兄弟としてちょっと有名だった。店の雰囲気も少し変わり、商品もハード系のパンも増えていた。看板犬のヒソプは相変わらずで、時々光も散歩に連れ出したりしていた。
光が店に立ち寄ると、紘一もいつも気にかけてくれる。もうすぐクリマスなので、シュトレンやツリー型のパンもある。店内にはツリーも飾られ、オーナメントにはアイシングクッキーも飾ってあって可愛い。壁にはアドベントカレンダーカレンダーもあり、毎日聖書の御言葉も楽しめる。ヒソプの首輪もいつもと違って赤と緑のオシャレなものになっていた。
「光ちゃん、信仰生活は順調かい?」
「ええ、おかげで。実は卒業したら、神学校に行きたいんだけど、どう思う?」
ゴスペルの練習をしていると、そんな思いがふっと湧き上がる事もあった。
「うーん、それは、まず祈って神様に相談しな」
「ワン!」
紘一の言葉に、ヒソプが同意するように吠えていた。