エピローグ1(3)
文字数 457文字
やがて、滝川の草履を擦る音が聞こえなくなると、隣にいた真白がオレを上目遣いでにらみつけた。
「と、こ、ろ、で!」
「なんだよ?」
「そのつなぐのに、まともな収入のない学生に五千万も請求するのはどうかと思ったけど!」
「はっはっはー、確かに! 今後は学割コース作るのも検討するぜ!」
そこでオレは片目を閉じて見せた。
「でもな、真白ちゃんはラッキーだぜ」
「何が?」
「オレ、最初に言うの忘れてたんだが、今はモニターキャンペーン中で、利用料金99.9%オフなんだ」
「え?」
「つまり、えーと、今回は五万でいいよ」
それにはハンドルを握るトザキがうわずった声を上げた。「ちょっ……?」
「いいんだよ、黙ってろ!」
「いや、五万じゃ、修理代にもなら……」
「黙ってろっつってんだろ!」
「……う、ういっす」
奴が押し黙ると、オレは真白に向かって親指を立てた。
彼女の困惑した顔もまたキュートだった。
オレはこの女の、この先時々作るであろう笑顔を守ったことになる。
まさに、最高。
そうしてオレはまた、明日を生きる理由にありつけたってわけなんだ。
「と、こ、ろ、で!」
「なんだよ?」
「そのつなぐのに、まともな収入のない学生に五千万も請求するのはどうかと思ったけど!」
「はっはっはー、確かに! 今後は学割コース作るのも検討するぜ!」
そこでオレは片目を閉じて見せた。
「でもな、真白ちゃんはラッキーだぜ」
「何が?」
「オレ、最初に言うの忘れてたんだが、今はモニターキャンペーン中で、利用料金99.9%オフなんだ」
「え?」
「つまり、えーと、今回は五万でいいよ」
それにはハンドルを握るトザキがうわずった声を上げた。「ちょっ……?」
「いいんだよ、黙ってろ!」
「いや、五万じゃ、修理代にもなら……」
「黙ってろっつってんだろ!」
「……う、ういっす」
奴が押し黙ると、オレは真白に向かって親指を立てた。
彼女の困惑した顔もまたキュートだった。
オレはこの女の、この先時々作るであろう笑顔を守ったことになる。
まさに、最高。
そうしてオレはまた、明日を生きる理由にありつけたってわけなんだ。