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文字数 351文字

「ジェーン、座りたまえ。私は、既に君の個人的な動機は把握しているが、さらさら興味はない」
「あなたも日本人じゃないんでしょ?」
「その通り。だからこそ、島国の外、世界視点で冷静に眺められたりもするのだよ」
 矛先が自分にも向いたことについてマイケルは、平静を保っていた。もっとも驚きを通り越して、あきれているようにも見えたが。

 ジャンは席を立つと、部屋の扉が閉まっているのを確かめた。
 振り返ると、口元だけで笑みを作る。「まあ、いい。正義心があって、犯罪者、テロリストを取り締まることについてモチベーションが高いこと自体は良いことだ」
 再び席に着くと、ジャンは天井に目をやり少し逡巡するような仕草をしたが、両肘をついて手を組むと、おもむろに真白に話し始めた。
「実は、これは公にはされていない日本政府の政策だ」
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