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文字数 444文字

 男たちが興奮気味に手を叩き、モヒカンに声援を送る。
「よっしゃ、やったれー!」
「フルさん、ぶっ飛ばしてやれ!」
「ばーか、ばーか! お前ら後悔すんぞ」

 モヒカンが小気味よく、そのメンバーの懐に入っていく。
 一発目のパンチが今まさに入るという間合いで、ハーマンが高らかに声を張り上げた。「よーし! 全員、公務執行妨害罪で逮捕する!」
 すかさず男たちがブーイングする。
「冗談じゃねえ!」
「ざけんな! オレら、何もしてねえだろ!」
 ハーマンは、クククと意地の悪い、わざとらしい笑い方をした。
「そんな言い分、取調べ室の誰が信じると思うんだ?」
 それを聞いて、男たちがさらに騒がしくなる。
「お前ら、人間の屑だな」
「クーズ! クーズ! クーズ!」
「あ、それ!」
「クーズ! クーズ! クーズ!」
 彼らは声をそろえて、おどけつつ罵り始めた。

 ハーマンは、あきれと苛立ちを露わにする。
「ほ、ほう、言ってくれたな。が、これで心置きなくやれる」
彼はマイケルに向かって右手を鳴らし、目配せした。
「かまわん、やれ」
 
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