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文字数 402文字

 ダンダンダンダン!
「うるあー! うるあー!」
 真白は初め男が、激しい音や振動に耐えかね観念して出てくる自分を待ち受けているのかと思った。が、いつまでも激しく叩く音に、どうやら扉を壊そうとしているのだと確信した。
 扉は木製だが、四センチほどの厚みがあり、それ自体は穴が開くような心配はないが、やがて混じり始めたガチャガチャという金具の音に顔を上げた。蝶番がぐらつきつつあるのに彼女は気づいた。

(まずい!)
 彼女は、チームメンバーが救援に現れる前に扉を突破されるのでは、と恐れおののいた。
 再びバッグの中をまさぐる。
 伸縮式の警棒を引っ張り出すと、手早く伸ばし握り直した。
唐突に、扉をカリカリと引っ掻くような音がする。

(何?)
 気配の感じるままに、恐る恐る目だけをそっと上に向けた。
(まさか!)
 扉の上に掛けられた二つの手が見えた。
 男は今まさに、扉の上から真白のいる個室に入り込もうとしているようだった。
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