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文字数 379文字

 真白は、眉間に深いしわを刻んだ。
「なんて奴ら!」
「うひひ、いいぞ、いいぞ! そんな風に粋がっている女には、オレ達のがますます熱くなるぜ」
 思わず前に出ようとする彼女を見て、BBが彼女の顎先に軽く手を添え、制した。
「引かれよ。ここは拙者に任せるべし」
 それでも、嗄れ声はなお愉快そうだった。
「えっと、なになに? オレ達をお前一人で捕まえようっていうのか?」

 BBは背後にいる真白に目をやって戻すなり、正面の三人を見据えて答えた。
「否。捕まえる気など毛頭ない」
「ん?」
 大柄の男が太い首を傾げた。
「沙織は、貴様らのせいで死んだ。同等の報いは受けてもらう」
「え?」
 小柄の男は、とっさにはその意味を解しかねて、前歯を突き出したまま固まっていた。
 BBは、男たちの顔から笑顔が消えたのを見届けてから、おもむろにつぶやいた。
「貴様ら、ことごとく、今ここにてぶち殺す」
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