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文字数 733文字
そうしたさ中、突然、メッセージアプリを通じて沙織の友人、村井美樹からメッセージが届いた。
美樹とは、沙織を交えて一緒に食事をしたことがあり、その際にメッセージアプリのIDを交換し合っていたが、今回が初めてのやり取りとなった。
「滝川さんに知らせておいた方がいいかどうか、正直迷ったのですが」
そういう切り出しで始まっていた。
最近沙織が美樹に、事件のことで相談をしているらしい。
やり取りを進めるにつれ、しだいに分かっていったのだが、その内容は、裕丈が聞かされていない真相に触れていた。
「さおりには、口止めされているのですが、多分滝川さんは知っておいてあげた方がいいと思います」
沙織はあの事件の晩、出先から戻る途中で裕丈とのメッセージをやり取りしたあと、まもなく自宅マンションに着いたのだった。
玄関のドアを開けて中へ入ったところ、鍵を掛ける間もなく、外で隠れて待ち伏せしていた犯人たちが押し入ってきたらしい。
そのまま彼女は彼らに抵抗することもできずに、奥の部屋に力づくで連れていかれ、犯人の一人に「声を出したら殺す」と脅された。
そのあとは男たちにされるがままに、代わる代わる犯されたのだという。
それを知って裕丈は、測り知れないほどの衝撃を受けた。
美樹が打ち明けた沙織の相談内容は、彼の想像が全く及ばなかったものであった。
が、現在の沙織の状態と、確かに符合していた。
美樹も自分の胸にしまい込んでいて苦しかったに違いない。
何も知らず手をこまねいている裕丈のことはあったが、同時に、美樹は一人で沙織の告白を背負い込んだ鬱屈した思いを晴らすために、裕丈にメッセージを寄こしたのだろう。
彼は、そのやり取りのあと、しばらくしてから、そう思い当たったのだった。
美樹とは、沙織を交えて一緒に食事をしたことがあり、その際にメッセージアプリのIDを交換し合っていたが、今回が初めてのやり取りとなった。
「滝川さんに知らせておいた方がいいかどうか、正直迷ったのですが」
そういう切り出しで始まっていた。
最近沙織が美樹に、事件のことで相談をしているらしい。
やり取りを進めるにつれ、しだいに分かっていったのだが、その内容は、裕丈が聞かされていない真相に触れていた。
「さおりには、口止めされているのですが、多分滝川さんは知っておいてあげた方がいいと思います」
沙織はあの事件の晩、出先から戻る途中で裕丈とのメッセージをやり取りしたあと、まもなく自宅マンションに着いたのだった。
玄関のドアを開けて中へ入ったところ、鍵を掛ける間もなく、外で隠れて待ち伏せしていた犯人たちが押し入ってきたらしい。
そのまま彼女は彼らに抵抗することもできずに、奥の部屋に力づくで連れていかれ、犯人の一人に「声を出したら殺す」と脅された。
そのあとは男たちにされるがままに、代わる代わる犯されたのだという。
それを知って裕丈は、測り知れないほどの衝撃を受けた。
美樹が打ち明けた沙織の相談内容は、彼の想像が全く及ばなかったものであった。
が、現在の沙織の状態と、確かに符合していた。
美樹も自分の胸にしまい込んでいて苦しかったに違いない。
何も知らず手をこまねいている裕丈のことはあったが、同時に、美樹は一人で沙織の告白を背負い込んだ鬱屈した思いを晴らすために、裕丈にメッセージを寄こしたのだろう。
彼は、そのやり取りのあと、しばらくしてから、そう思い当たったのだった。