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文字数 439文字

(スズメバチ、か)
 あの野球場で出会ったタトゥーの男たちを、彼は思い返していた。
(あの者どもは、いったい?)
 守るべき立場の弱い人間をいたぶり、それを楽しんでいるふうでもあったあの三人には、もはやいたずらを越えて犯罪者の性向すらうかがえた。
 裕丈は、目を閉じた。
 彼と同じく、スズメバチのタトゥーの男たちのグループに被害にあった話をしていた他チームの、ジェーンと呼ばれていた若い女のことを思い出す。数日前、ここで話しているのが、たまたま耳に入った。彼女の兄が、自宅アパートで男たちに襲われ大けがをしたといっていた。
 裕丈の耳の奥で、あの夜聞いた彼らの人の不幸を嘲笑う声がよみがえる。
(悪意しか感じられない、人間の品性に欠けた、躊躇せず人を食い物にできてしまう残忍なたちの男たちこそ、自分が捕らえて突き出すなり、成敗しなくてはなるまい)

 スマホがバイブし、裕丈は目を薄く開いた。
画面に躍った文字を読み取ると、彼はスマホをしまい込み立ち上がった。
 フレッドからの応援出動要請である。
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