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文字数 274文字

(生まれたときから? 運命? あたしの?)

 家路をたどりながら、マイケルの言葉を反すうしていた。
 市中央公園脇の薄暗い歩道にさしかかった。
 まっすぐの道だが深夜で人通りがなく、50メートルおきに小さな街灯があるきりだった。

(まさか、あたしたちは、生まれながらにしてモルモットだったの?)

 笑う両親に手を引かれ、よちよちと歩いていた自分。その前を歩く兄が、振り返るなり大きな声で何か言って上を指さした。その空が白くまぶしかったのを、今でもよく覚えている。
 ふと胸をよぎった温もりに満ちたその思い出の景色が、氷で冷たく閉ざされていくような感覚になった。


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