11(15)

文字数 516文字

「鉄パイプで武装しながらも、その三人共がやられるとは」
「……わ、我々らもこれまで丸腰の人間相手だったからな。……腕がなまっていたか、あるいは油断があったのかもしれん……」

 ジャンは、真白に救急車を呼ぶよう指示し、それからマイケルを呼び寄せた。
「この分では、今日の作戦に参加している他のチームも危険だ。マイケル、警戒するよう連絡を入れてくれないか?」
「ラジャー」
 ジャンは、ハーマンをそっと寝かせた。
「ところで、ハーマン。どんな連中にやられたんだ?」
「相手は一人だが、金属バットを振り回す侍風情の男だ」
「バット? 侍?」
 長いバットケースを背負い、袴姿だったBBのことが、真白の脳裏をかすめる。それは、ジャンとマイケルも同じに違いなかった。

「いや、まさか、あの男……」
 ジャンはうめいた。
「だとしたら、同士討ちではないか」
「気をつけろ。あの男のバットさばきは、あたかも刀剣のようであった」
 マイケルがスマホを耳に当てたまま、ジャンを見た。
「チーム13(サーティーン)に電話を入れていますが、応答ありません」
「既にやられたか?」
 ジャンの舌打ちが聞こえる。
 真白は、BBの折り目正しい所作を思い返していた。
(まさか、あのような人が……)
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み