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文字数 409文字

 四人が乗るワゴンは十数分もの間、異常なハイスピードで街中を駆け抜け、ようやく減速した。渋滞している車列の一番後ろにつくと停車した。
 マーシーは後部席の二人の方を向いた。
「警察の検問だ。緊急指名手配を振り切って、そこを抜けられたら、あんたたちは須波市を脱出できる。で、参考までにだが、この街は、市外へ出るルートがわずかに二本しかない」

 真白とBBは、マーシーが立てた二本の指に黙って見入った。
「県道101号線、そしてこの水田地帯の真ん中を走る須波街道。線路が走っているのに鉄道駅が一つもないのは、人流を抑制し、市を封鎖しやすくする意図、計画が市制の始まりには既にあったからだ」
 真白はため息をついた。
「全ては、最初の最初から仕組まれていたってわけね」
「その通り」
 トザキが窓を開けると、若い男性警官が少しかがんで声を掛けてきた。
「どうもー。ここからは市外になります。搭乗者全員のマイナンバーカードの提示をお願いします」
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