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文字数 696文字

 その様子を部屋の入り口から見ていた真白の背後から、突然ジャンの声がした。

「何をしている! BB! お前、このような真似をして、どうなるか分かっているのか」
 ジャンは警棒をちらつかせ、尻目に真白を見て「ジェーン、マイケルをここへ呼ぶんだ」といった。BBは背筋を正すと、黙って立っていた。
 嗄れ声が、肩をすくめた。「やれやれ」
 まもなくして、真白の連絡を受けたマイケルが姿を現すと、ジャンはその顔に向かっていった。
「マイケル、この男はテロリストだ。他のチームメンバーに危害を加えている。連行するぞ」

 マイケルは部屋を見回した際、壁際で血まみれで転がっている小男を目にした。足をピクピクと、微かにけいれんさせている。思わず息を飲み、それから顔を上げてBBを見た。
 BBは白いヘルメットを被り、だらりと垂れた右手にバットを持ち、静かにそこに立っている。
 ジャンが顎を振って、BBを外に連れ出せと合図した。
 小さく頷いたマイケルがBBに一歩近づくと、真白が二人の間に入って「待って」と手で遮った。
「ジェーン?」
 マイケルは、首をひねる仕草をした。

 真白は、奥に立つ迷彩服の二人を指さす。
「あいつら、あたしのアパートに侵入して兄に大けがを負わせた張本人です。BBさんも、あいつらに……。あいつらがここでもまた、同じことをしようとしていて、それをBBさんが阻止しようとしていたんです」
 すると、大男の方が「おいおいおいおい!」と、真白とマイケルとの会話に割って入る。
「言いがかりだっての! このバカップルが連行に従わねえから、ここで始末つけようとしたらよう、その頭おかしいのがバットで襲ってきたんだぜ?」
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