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文字数 638文字

 およそ二十台ほどの乗用車が停められそうな、ほぼ方形の駐車場だった。
 道路に面した方が成人男性の胸までの高さまであるフェンスがあり、残りの三方は同じ高さのブロック塀で囲われている。
 奥の塀の向こう側には数件の戸建ての民家が並んでおり、それぞれに灯りがともっていた。

 暗がりの中に、塀に沿って陣取っている人間の集団が見える。
 男性の野太い笑い声やはしゃぎ声が、静まり返った住宅街に響いている。
 早口でまくし立てているものの呂律が回っておらず、声量の割に何を言っているのか分からない話し声も聞こえた。
 真白はマイケルのすぐ後をついて歩いたが、その前にはハーマンのチームの三人がいる。

 声のする方に近づくと、やがて二十代から三十代とおぼしき男のみの集まりだと知れた。人数は、7ないし8人といったところだろうか。
 ハーマンが一番手前の黒いジャケットの男に声を掛けた。
「君たちは、ここで一体何をしている?」
「え? あんた、誰?」
 そのやり取りに自然と、溜まっている男たちの視線が集まる。彼らの多くは缶ビールや缶チューハイらしきものを手にしている。
 アスファルトの上にビニール袋のようなものが敷かれ、そこにいくつかの小袋やパックが並んでいるのが見えた。

 ハーマンは、鼻をふんと鳴らすと「こんなところで酒盛りか」と誰に言うともなくつぶやいた。
 彼は左右に仁王立ちで控えるチームメンバーに目をやって小さく頷くと、集団の一番奥で地面に腰を下ろしている、一際目つきの鋭いモヒカン頭の男を見据えた。
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