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文字数 543文字

 その翌日。
 真白らのチームの出動するときが来た。

 普段は市庁舎内で待機しているが、指揮監督室から要請がかかるとチームでまとまって移動する。マイケルがハンドルを握るその車中で、ジャンから本日の任務説明があった。

「今日の我々の任務は、違法薬物の取り締まりだ。薬物の取引に使われているといわれている自働車修理工場にて関係者を連行する。彼らを取調べ官に引き渡すまでが我々の役目だ」

 それは、そもそも警察の従来の役目だと真白は思ったが、ジャンがその疑問を察したのだろう。捜査現場の実情を明かした。

 非常事態宣言下では不審者対応の件数が膨れ上がり、警察の手が回らないため治安維持チームと分業しているという。
 警察は家宅捜索に専念し、取調べはチームと取調べ専門官が当たることで、警察側の調書作成等の手間が省いて捜査効率を高めようとする趣旨があるとのことであった。

 目的の工場に到着する。その敷地内に、車で乗り入れた。
 パトカーが二台、その駐車場に停まっており、既に捜査が始まっているようだった。
 ジャンがしたように真白とマイケルは車を降りるとき、仕込んであった伸縮式の警棒を手にする。
 
 ジャンは、工場事務所に向かう道すがら淡々といった。
「連中が逆らったら、それで警告しろ」
 二人の顔に緊張が走る。
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