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文字数 700文字

 真白はベランダへ出た。マイケルもその隣に立つ。
 その獣の咆哮じみたエンジン音が空気を破って、いよいよ間近に迫る。
 そのときそばの交差点に現れたのは、見かけは何の変哲もないごく普通の白いファミリーワゴンだった。そのファミリーワゴンが、アパートの正面まで来ると急ブレーキを掛けて停まった。 
 凶暴なエンジン音に不似合いなファミリー向けの車体に真白は、まさに開いた口が塞がらなかった。

(え? めっちゃキモいんだけど!)
 その助手席からは長身の髪を逆立てたサングラスの男が降り立ち、反対側の運転席からは対照的にずんぐりむっくりの背丈の低い青髭面の男が現れた。
(わ? 今度は何がやってきたの?)
 いかにも普通ではない怪しげな二人組に、真白の目つきが自然と鋭くなった。

「ルイ! 待たせたな!」
 長身の男がこちらを見上げるなり手を左右に振り、場違いな明るく大きな声でいった。それに対してマイケルが手を振った。
「いや、全然!」
 長身の男はそれを聞いて、白い歯を見せた。

 それからまもなくして、その二人が部屋に入ってきた。
「マーシー、よく来てくれたな!」
 マーシーと呼ばれた男はマイケルの肩に手を置き、「おう」といってうれしそうに笑みを浮かべたが、まもなく、生きているのかどうか分からない血まみれの男らが部屋の中で転がっているのに気づいて大げさに肩をすくめた。
「ルイ、派手にやったもんだ」
「僕じゃない」
 BBは黙って、こちらのやり取りをじっと見ている。

「この人たちは?」
 真白はマイケルに説明を求める。が、答えたのはマーシーの方だった。
「おいらかい? 夜逃げ屋みたいなもんさ。それにルイの旧い連れだよ。ヨロシクな!」
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