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文字数 411文字
「おい、こーら!」
男の声が、扉のすぐ外でした。
彼女は、怯え震える自分の胸に右手を当てる。
すると、扉がガツンと固く大きな音を立てて揺れた。
(な、何をする気?)
真白は思わず、ビクリとして肩を縮み込ませた。
「うるあ、出てこいよ!」
また、ガツンと鳴る。彼女は、息を飲んだ。
男は扉を殴り続ける。しかも、そのテンポが徐々に速くなる。
ダンダンダンダン!
「うるあー! うるあー!」
奇妙な雄叫びも聞こえる。
真白は、慌ててバッグからスマホを取り出した。恐怖で手元が覚束ない。治安維持チームに救援要請信号を発信すべく、何とか操作する。本来は連行や捜査の加勢を頼みたいときに、緊急で出すものだった。
受信した指揮監督室の指令で、チームメンバーの誰かがGPSを頼りに、ここへやってくるはずである。
もっとも、それが何人規模でいつやって来るのかは皆目見当がつかなかった。深夜に出動できるチームは決して多くないため、あてにし切れない。
男の声が、扉のすぐ外でした。
彼女は、怯え震える自分の胸に右手を当てる。
すると、扉がガツンと固く大きな音を立てて揺れた。
(な、何をする気?)
真白は思わず、ビクリとして肩を縮み込ませた。
「うるあ、出てこいよ!」
また、ガツンと鳴る。彼女は、息を飲んだ。
男は扉を殴り続ける。しかも、そのテンポが徐々に速くなる。
ダンダンダンダン!
「うるあー! うるあー!」
奇妙な雄叫びも聞こえる。
真白は、慌ててバッグからスマホを取り出した。恐怖で手元が覚束ない。治安維持チームに救援要請信号を発信すべく、何とか操作する。本来は連行や捜査の加勢を頼みたいときに、緊急で出すものだった。
受信した指揮監督室の指令で、チームメンバーの誰かがGPSを頼りに、ここへやってくるはずである。
もっとも、それが何人規模でいつやって来るのかは皆目見当がつかなかった。深夜に出動できるチームは決して多くないため、あてにし切れない。