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文字数 601文字
BBはゆっくり立ち上がり、それを見下ろした。
「まあ、いい。少し楽にしてやろう」
「……え?」
壁を背にして袋のネズミ同然の大男が目線を上げたその時、BBはバットを逆手に持ち直し、ヘッドを下に向けた。
「痛みを和らげるのは、決して時間などではない。……さらなる痛みだ!」
大男が大きく目を見張った。それと同時に彼の股間をめがけて勢いよく叩き込む。まるでレタスの裂けるような音がした。
ふっと息が漏れただけで、さすがに声は出ないようだった。大男は失神したのだろう。そのまま横倒しになった。
BBは、それを見届けるとバットを腰にあてがい独り言ちた。
「これでもはや、何の役にも立つまい」
「お前、ふざけるな!」
背後からジャンが警棒を振り上げてBBに迫った。
(!)
真白が、それを止めようと進み出たが、杞憂に過ぎなかった。BBはいとも簡単に身をかわし、軽くバットを差し出すと、それがカウンターでジャンの額に入った。
「セーフティバント!」
ジャンは、サングラスを吹き飛ばして後ろへひっくり返る。
「むう!」
BBはジャンにのしかかり、床にあったロープを引き寄せる。手早く彼の両腕を固く縛りつけるなり、なおも暴れる彼をキッチンのカウンター内に押し込んだ。
「しばらくここで大人しくしててもらおうか」
「わ、分かっているのか? このままでは、ただでは済まされんぞ!」
踵を返したBBは、マイケルに声を掛けた。
「しばし拝借する」
「まあ、いい。少し楽にしてやろう」
「……え?」
壁を背にして袋のネズミ同然の大男が目線を上げたその時、BBはバットを逆手に持ち直し、ヘッドを下に向けた。
「痛みを和らげるのは、決して時間などではない。……さらなる痛みだ!」
大男が大きく目を見張った。それと同時に彼の股間をめがけて勢いよく叩き込む。まるでレタスの裂けるような音がした。
ふっと息が漏れただけで、さすがに声は出ないようだった。大男は失神したのだろう。そのまま横倒しになった。
BBは、それを見届けるとバットを腰にあてがい独り言ちた。
「これでもはや、何の役にも立つまい」
「お前、ふざけるな!」
背後からジャンが警棒を振り上げてBBに迫った。
(!)
真白が、それを止めようと進み出たが、杞憂に過ぎなかった。BBはいとも簡単に身をかわし、軽くバットを差し出すと、それがカウンターでジャンの額に入った。
「セーフティバント!」
ジャンは、サングラスを吹き飛ばして後ろへひっくり返る。
「むう!」
BBはジャンにのしかかり、床にあったロープを引き寄せる。手早く彼の両腕を固く縛りつけるなり、なおも暴れる彼をキッチンのカウンター内に押し込んだ。
「しばらくここで大人しくしててもらおうか」
「わ、分かっているのか? このままでは、ただでは済まされんぞ!」
踵を返したBBは、マイケルに声を掛けた。
「しばし拝借する」