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文字数 408文字

「いつまでも君をここへ引き留めておくわけにはいきません。君は君で、君の道を行かなくちゃね。さあ、よろしく頼みます」
 真白は、おもむろに頷いた。
 それを見たBBは、ほっとしたような表情を浮かべた。

 二人は左右から来る車を気にしながら道を渡った。
 彼は、眼前に広がる広々とした海を一望すると、先ほどコンビニで買っておいたのか、ビニール袋を開封し紐状のものを取り出した。それで自分を後ろ手に縛るよう真白に頼んだ。
「ほどけないようにしてくださいね。僕は案外往生際が悪そうだし」
 腰の後ろに組まれた両手を見た真白は、BBがもう二度と帰って来られない場所へ追いやるのがこの自分だと思うと、その縛りつけようとする手元が、どうしてもためらいがちになった。
 それでもBBは両手に力を加えてみて、彼女の縛った紐がほどけることはなさそうだと判別すると「大丈夫そうですね。ありがとう」といった。
 それからBBは、ゆっくり歩いて岸壁に立った。

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