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文字数 422文字
マーシーが小さく舌打ちした。
「何かあったんですか」
これは先ほどの警官の声である。
「さっき通報があった。白のミニバンで逃走したらしい。街頭防犯カメラでこの検問所に向かっているのが分かった」
その警官の操作が必要なのか、前のゲートバーが開かない。
声の主だった男が姿を見せた。ブラックスーツにサングラスといった、いかにもといったエージェント・ファッションである。
その男が運転席のドアミラーに手を置き、トザキに向かって「エンジンを切れ」といった。「話がある」
「が、あいにくオレは」
「ん?」
男は、眉間にしわを寄せた。
「お前に話すことなんか……何もないぜ!」
トザキがそういうなり、エンジンが甲高く吠えた。
「おい!」
その男が空いた手で車のボディに触れ、さらに助手席側からも同じスタイルの別の男が現れ、天井に両手を掛けて車内をのぞく素振りをした。
マーシーがトザキの横腹を肘で突いた。
「出せ!」
「言われるまでもないわ!」
ミニバンは急発進した。
「何かあったんですか」
これは先ほどの警官の声である。
「さっき通報があった。白のミニバンで逃走したらしい。街頭防犯カメラでこの検問所に向かっているのが分かった」
その警官の操作が必要なのか、前のゲートバーが開かない。
声の主だった男が姿を見せた。ブラックスーツにサングラスといった、いかにもといったエージェント・ファッションである。
その男が運転席のドアミラーに手を置き、トザキに向かって「エンジンを切れ」といった。「話がある」
「が、あいにくオレは」
「ん?」
男は、眉間にしわを寄せた。
「お前に話すことなんか……何もないぜ!」
トザキがそういうなり、エンジンが甲高く吠えた。
「おい!」
その男が空いた手で車のボディに触れ、さらに助手席側からも同じスタイルの別の男が現れ、天井に両手を掛けて車内をのぞく素振りをした。
マーシーがトザキの横腹を肘で突いた。
「出せ!」
「言われるまでもないわ!」
ミニバンは急発進した。