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文字数 557文字

 その男がやがて崩れ落ちるように倒れると、BBは床に転がっている住人男性のそばに身を寄せ、真白に目で女性の方へ行くよう促した。
 真白は頷くと、壁に凭れ震えている女性に近づいた。リビングを見回して着せるものを探したが、拾い上げたトレーナーは刃物か何かで大きく裂かれていた。
 それをそっとテーブルに置き、真白は奥の部屋から毛布を取ってきて女性に肩から掛けてやった。
「もう、大丈夫よ。今からテープもはがすね」
 口に貼られた粘着テープをゆっくりと外していくと、女性の口元から嗚咽が漏れた。
「大丈夫よ」
そういって、真白は彼女の手首のテープも外してやったあと、彼女を優しくハグした。
「ほらね? もう大丈夫」

 ちょうどその時だろうか、遠くで爆音が聞こえた。
 真白は、初めそれをまるで気にも留めず、それが何なのか疑問に思いさえしなかった。
 しばらくしてそれが車かバイクだろうと見当はついたが、マフラーを改造した車両のように際限なく音が大きくなっていく。
 耳をつんざくようなエンジン音がすぐ近所まで迫っているようだった。
(まさか、ここを目指しているのではないか)
 そう感じた真白は、戦慄した。
(マイケルが救援で呼び出した新手のチームが現れるのか)
 マイケルもその爆音を気にしているようだが、その口元は心なしか笑っているように見えた。
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