第155話

文字数 7,471文字

 「…じゃ、オレはこれで…」

 と、言って、葉山は去った…

 私は、葉山を引き留めて、まだまだ聞きたいことがあったが、さすがに、これ以上、引き留めることはできなかった…

 呆気ないほど、簡単に、この場を去った…

 残ったのは、私一人…

 竹下クミ、一人だけだった…

 葉山が去って、しばらくしてから、この料亭の女将さんが、一人で、様子を見にやって来た…

 一目見て、部屋に、私だけが残り、その私が、どうしていいか、わからず、ポツンといるのが、わかったものだから、

 「…お嬢さん以外、皆さん、お帰りになったんですか?…」

 と、私に聞いた…

 私は、どうしていいか、わからず、

 「…」

 と、無言のまま、首を縦に振って、頷いた…

 それから、女将さんが、まだ誰も手を付けてない料理を見て、

 「…お嬢さん…せっかくだから、この料理を食べてから、お帰りなさい…お腹が空いてるでしょ?…」

 と、私に料理を食べることを勧めた…

 当たり前だが、私もお腹が空いていた…

 ただ、あまりにも、ゴタゴタし過ぎて、料理を食べるどころでは、なかった…

 高雄悠(ゆう)が、実は、大場小太郎の血の分けた息子だったり、その悠(ゆう)と、大場敦子が、男女の関係だったりと、これでもかというほど、さまざまなことが、暴露された…

 予想外の出来事の連続だった…

 極めつけは、死んだと思っていた古賀会長が姿を現したことだろう…

 しかも、その古賀会長は、ボケていた…

 それを隠すために、死んだことにして、身を隠していたのだ…

 そして、それらすべてを見越したように、一連の出来事が起きてから、葉山を含めた、警視庁公安部外事第二課の人たちが、現れた…

 そこで、同席した、あの町中華の女将さんが、中国の工作員だと暴露され、大場父娘共々、公安部の人たちに、連行されていってしまった…

 こんなことは、この竹下クミの人生で初めて…

 まるで、ドラマの主人公のように、めまぐるしく周囲に翻弄されたと、いっていい…

 だから、食事どころでは、なかったのだ…

 そして、今、この料亭の女将さんに勧められて、ようやく、自分が、お腹が空いたことに、気付いた…

 だから、私は、

 「…それでは、遠慮なく…」

 と、小さく言って、箸を持って、食べ始めた…

 料理は、おいしかったが、味わうという感じではなかった…

 なにより、料理はすっかり、冷めていた…

 が、それを指摘する勇気は、私には、なかった…

 が、女将さんは、料理が冷めてしまっていることに、すぐに、気付き、

 「…作り直してきます…お嬢さんも、いったん箸を止めて、温めてから、食べなさい…」

 と、私に言った…

 私は、無言で、箸を休めた…

 それから、しばらくして、温め直した料理が運ばれてきた…

 一口食べて、おいしかった…

 さっきとは、全然味が違う…

 思わず、

 「…おいしい…」

 と、呟くと、女将さんは、にっこり微笑んだ…

 「…接客業は、お客様に喜んでもらえるのが、第一…お嬢さんの嬉しそうな顔を見て、私も嬉しいです…」

 と、告げた…

 うまいことを言う…

 私は、思った…

 私の食べる姿を見て、

 「…お嬢さんも、将来、接客業に就けばいい…」

 と、いきなり、私に向かって、思いがけないことを言った…

 「…接客業?…」

 思わず、箸を止めて、女将さんの顔を見た…

 「…お嬢さんは、笑顔がいい…誰からも好かれるでしょう…そういう人間は、ひとと接する仕事が一番…天職です…」

 会って間もないのに、断言された…

 私は、複雑だった…

 社交辞令か否か、判断できなかった…

 だから、私は、

 「…ありがとうございます…」

 と、だけ言って、料理を食べた…

 その方が、なにも、言わずに、済んだからだ…

 私は、無言のまま、料理を食べ続けた…

 そんな私の姿をニコニコと、料亭の女将さんが、見ていた…

 
 結局、杉崎実業の内定を契機に、始まった、この騒動は、これで、終わりになった…

 それは、あの後、大場に会って、それを知ったというか…

 痛感した…

 大場に呼び出されて、ファミレスで、二人きりで、会った…

 「…竹下さんには、今度の一件で、ホントに、迷惑をかけて、ごめんなさい…」

 と、会うなり、大場が私に、頭を下げて、謝った…

 私は、それよりも、大場のカラダのことが、気になった…

 本当に、高雄悠(ゆう)の子供を妊娠したのだろうか?

 なにより、それが、気になった…

 「…そんなことより、カラダ…」

 「…カラダ?…」

 「…ほら、高雄悠(ゆう)さんの子供を妊娠したっていう…」

 私の質問に、

 「…ああ、アレね?…」

 と、照れ隠しのような、笑いを浮かべた…

 「…誤解だったみたい…ちょっと、生理が遅れただけで…」

 「…生理が遅れただけ?…」

 あまりにも、以外な言葉だった…

 「…自分で言うのも、なんだけど、悠(ゆう)さんと、そういう関係になって、ナーバスになり過ぎていたっていうのが、あって…」

 大場敦子が、恥ずかしそうに、告白する…

 私は、大場の告白に、唖然とした…

 「…最近、そういう関係になって、まだ、何回もしてないけど、だから、余計に、気になったというか…これは、男のひとには、わからないでしょうね…」

 大場が、顔を真っ赤にして言う…

 私は、大場の言葉に、拍子抜けした…

 私と同じ歳で、私は、まだ、男のひとと、そういう関係になったことは、一度もない…

 だから、もし、大場に子供が出来たら、どうするんだろう? と、漠然と、気になっていた…

 大場は、私と違って、大金持ちの娘だから、私とは、生まれついた環境が、天と地ほども、違うけれど、同じ年齢だ…

 私と同じ、まだ、22歳の、学生の身で、妊娠して、これから、どうするんだろう? と、いうのが、気になっていた…

 それが、ただ、生理が遅れただけなんて、拍子抜けも、いいところだ(苦笑)…

 私が、事の顛末(てんまつ)に愕然としていると、

 「…でも、あの一件で、パパに私と、悠(ゆう)さんの関係がバレてから、パパの態度が変わったの…」

 と、大場が楽しそうに、言った…

 「…変わったって、どう変わったの?…」

 「…まるで、美術品…」

 「…美術品って?…」

 「…まるで、美術館に飾ってある、高価な美術品を扱うように、私に接するの…いっしょに、ご飯を食べていて、ちょっとでも、私が、顔をしかめたりすると、すぐに、私の傍に来て、大丈夫か、無理しない方が、いいぞって…」

 「…」

 「…家族の中でも、私とパパ以外は、私が、妊娠したかもしれないことは、知らないの…だから、パパの私への態度が、あまりにも、豹変したものだから、ママも弟や妹たちも、目を丸くして、見ている…それが、面白くて…」

 実に楽しそうに、大場が言った…

 「…だから、パパには、妊娠なんかしてなくて、生理が遅れただけって、いうのは、しばらく内緒にするつもり…」

 いたずらっぽく言う…

 「…えーっ? どういうこと?…」

 「…だって、どうせ、あと数か月すれば、お腹も大きくならないから、妊娠がウソだって、バレるでしょ? それまでは、私に尽くしてもらうの…」

 大場が宣言する…

 私は、大場の言葉に、今さらながら、女はしたたかだと思った…

 男なら、こうはしないだろう…

 打算と言っては、なんだが、巧妙に、自分の取り分を頂くというか…

 周囲を手玉に取るというか…

 私は、大場の言葉に、ただ、呆気に取られた…

 「…それで、悠(ゆう)…高雄悠(ゆう)さんは、今、どうして…」

 「…知らない…」

 あっさりと言った…

 「…知らないって…」

 「…ほら、竹下さんも、知ってるように、悠(ゆう)さんは、口ばっかしの頭でっかちだから、実際、汗水働いて、カラダを動かす体験をしろって、言ったら、ウーバーイーツを始めたものの、三日も経たないで、止めちゃって…それで、口げんかになって、それっきり…」

 私は、大場のあまりの言葉に、あんぐりと、バカみたいに、口を開けて、驚いた…

 「…挙句の果てには、ボクには、肉体労働は似合わない…頭脳労働しかできないって…一体、何様のつもりだってぇの…」

 大場が憤懣やるかたないといった表情で、語る…

 私は、なんといっていいか、わからなかった…

 ただ、

 「…どうして、ウーバーイーツ?…」

 ということだけは、聞いた…

 「…簡単だから…」

 大場が答える。

 「…今、一番、簡単になれる仕事でしょ? だから、働くのに、一番と思って…」

 至極、真っ当な意見だった…

 「…でも、まさか、三日で、音を上げるなんて、思わなかった…口先だけの男とは、思っていたけど、まさか、これほどとは…」

 大場がため息を漏らす…

 「…だから、その怒りを、パパにぶつけてるの…パパは、悠(ゆう)さんの父親だから…」

 と、まさに、無茶苦茶な理屈を言う…

 私は、文字通り、目が点になった…

 「…お父さんは、これから、どうするの?…」

 「…さあ…今度の総選挙には、出ないで、次の選挙に出るようなことを言ってるけど、どうなるか? 当選は、できると思うけど、問題はその後よ…」

 大場が、ひどく冷静に言う…

 それから、話を悠(ゆう)に、戻した…

 「…大場さんは、悠(ゆう)さんと、結婚するの?…」

 大場は、すぐに、首を横に振って、否定した…

 「…わからない…第一、就職もしてないのに、結婚どころじゃないでしょ?…」

 これも、ひどく、真っ当な言葉だった…

 「…悠(ゆう)さんもどこかに、就職して、私も、就職して、話は、それから…」

 これも、また、ひどく、真っ当な意見だった…

 私が、思っていると、今度は、大場が、

 「…聞いていい?…」

 と、遠慮がちに、私に聞いた…

 「…なに?…」

 「…竹下さん、古賀のお爺ちゃんとか、稲葉のオジサンが、父親かもしれないって…アレをどう思ってるの?…」
 
 「…どうって?…」

 「…ほら、私も色々聞きづらいし…」

 「…なにも…」

 私は、小さく答えた…

 「…なにも、思わない…なにも、考えない…そういうことにしている…」

 私が、言うと、

 大場は、少し、考え込んでから、

 「…そう…」

 と、小さく言った…

 「…それが、一番かも…」

 「…それに…」

 私は、続けた…

 「…仮に、稲葉さんが、私の父親でも、嫌じゃなかった…」

 私は、告白する…

 私の告白に、大場も、

 「…私も同じ…」
 
 と、私の意見に同意した…

 「…稲葉のオジサンは、悪いひとじゃない…」

 と、だけ言って、後の言葉は飲み込んだ…

 本当ならば、稲葉五郎の正体が、公安のスパイか否か、話題にしたいが、話題にしても、仕方がない話だからだ…

 それが、本当だか、わからないからだ…

 「…で、あの町中華の女将さんは…」

 と、今さらながら、聞いた…

 大場の妊娠が、真っ先に気になり、あの町中華の女将さんが、どうなったかなんて、すっかり、忘れていた…

 「…女将さんは、国外追放よ…」

 あっさりと言った…

 葉山の言う通りだった…

 「…もう二度と会うことはない…」

 大場が、苦り切った表情で言った…

 大場にとって、あの町中華の女将さんは、黒歴史以外の何物でもないのかもしれない…

 稲葉五郎の正体は、日本の公安のスパイかもしれないから、まだ許せるが、中国の工作員=スパイとなると、話は、変わる…

 大場小太郎は、父親が、かつて、国家公安委員長をしていた縁で、ヤクザ界を見張る意味で、山田会の古賀会長を始め、他のヤクザとも、交流を持ったが、相手が、中国のスパイとなると、話は変わる…

 それは、養女の敦子にとっても、同じなのだろう…

 だから、私は、これ以上、女将さんについて、聞かなかった…

 女将さんは、古賀会長や、稲葉五郎たちと、同様、大場敦子が、小さいときから、見知ってる人間…

 だから、余計に、ショックが大きいに違いない…

 そういえば、ヤクザと言えば、松尾聡(さとし)は、どうなったのだろう?

 あれ以来、動静は、聞かないが…

 「…あの松尾さん…松尾会会長は?…」

 「…さあ…」

 と、大場は、首を横に振った…

 「…古賀のお爺ちゃんが、あの状態だったから、あの騒動を人づてに、聞いて、引退するとか、しないとか…一時は、山田会の高雄組を筆頭とした経済ヤクザを束ねて、別組織といっしょにさせるとか、息巻いていたというけど、古賀のお爺ちゃんの状態が、他のヤクザにも伝わって、今さら、松尾のお爺ちゃんの時代でもないって、誰もついていかなかったみたい…笑っちゃうね…」

 大場は、苦笑する…

 やはり、義父の大場小太郎同様、ヤクザ界の動静に長けている…

 いや、

 これは、あの悠(ゆう)…高雄悠(ゆう)に、聞いたのだろうか?

 悠(ゆう)の養父は、高雄組組長…

 亡くなったとはいえ、高雄組組長は、大物ヤクザ…

 情報のルートは、持っているに、違いない…

 私は、思った…

 そして、林…

 林は、一体、どうなったのだろう?

 「…あの…林さんが、あの後、どうなったか、知ってる?…」

 「…ううん、知らない…」

 大場が、首を横に振った…

 「…林のことは、なにも、わからない…」

 「…そう…」

 小さく、答えた…

 思えば、今回の杉崎実業の一件で、林が一番悲惨だった…

 全財産、無くしたと言っていた…

 今回の一件で、一番、心を痛めたことだ…

 だが、残念ながら、私に、どうすることも、できない…

 古賀のお爺ちゃんは、あの後、施設に送られたそうだ…

 元々、そこへ、隠れ住んでいたらしい…

 
 大場と私は、それから、さまざまな世間話をした…

 気が付くと、優に小一時間は過ぎていた…

 「…もう、こんな時間…」

 大場が、突然、言った…

 そして、席を立ち、

 「…また、なにか、あったら、連絡するね…」

 と、慌ただしく、店を出たときに、大場が私に言って、私に、手を振って、別れた…

 おそらく、これが、最後の会話というか…

 もう二度と会うことは、ないと、直観的に、わかっていた…

 私と、大場とは、住む世界が違い過ぎる…

 そもそも、本来、出会うはずがない二人が、偶然、出会ったに過ぎない…

 私は、そう思った…

 そして、私は電車に乗り、自分の住む街に帰ることにした…

 自宅のある駅に着くと、私は、ホッとしたというか…

 なんだか、これまで、あった出来事がすべて、夢のような感じがした…

 大物代議士、大物ヤクザ、公安警察…

 そんな、普段、私が、絶対会えない人間と、出会った…

 今さらながら、それを痛感した…

 と、そのときだった…

 そんなことを、考えていたせいか、駅の階段を下りていたときに、誤って、階段を踏み違えた…

 あと数段で、降り終えるところを、誤って、スルッと下に落ちた…

 尻もちをついた…

 「…いたーい!…」

 思わず、声に出した…

 私は、慌てて、周囲を見回した…

 恥ずかしくて、仕方がなかったからだ…

 22歳にもなって、駅の階段を踏み外すとは、思わなかった…

 だが、道行く周囲の人間は、私が、階段を踏み外したのに、気付いたが、誰もが、見て見ぬふりをして、通り過ぎた…

 私は、慌てて、立ち上がり、その場から、去ろうとした…

 恥ずかしくって、仕方がないからだ…

 と、そのときに、

 「…相変わらず、トロいな、竹下…」

 と、いう声が近くでした…

 私は、慌てて、その声の主を見た…

 見るからに、人の良さそうな女が、そこに立っていた…

 身長は、私と、同じ160㎝ぐらいだが、妙に、胸が大きい…

 だが、幼児体系…

 子供が、そのまま、大人になったような感じだった…

 「…満足に、階段を下りることもできないのか?…」

 かわいらしい声で、言われた…

 「…矢田…」

 思わず、私は、眼前の女の名前を呼んだ…

 矢田トモコ…

 もっとも、出会いたくない相手だった(涙)…

 もっとも、こんな場面を見られたくない相手だった(涙)…

 矢田は決して、悪いヤツではない…

 しかし、

 しかし、だ…

 「…私と、会って、良かったな、竹下…これが、私以外で、高校時代ならば、次の日、オマエが、学校に行けば、オマエが、駅の階段も満足に歩けなかったことが、学校中に知れ渡ってるぞ…私だから、良かった…武士の情けだ…黙っておいてやる…」

 上から目線の言葉だった…

 …ウソを言うな!…

 …矢田、オマエに見られたから、マズいんじゃないか?…

 …オマエのことだ…明日、学校に行けば、まるで、放送局のように、周囲に言いふらしているに違いない…

 私は、とっさに思った…

 いや、

 すでに、スマホで、知り会いという知り合いに、電話をしまくるかもしれない…

 そう思いながら、目の前の矢田を見た…

 …ン?…

 私が、矢田を見ると、なにか、以前と違う…

 なにが、違うんだ?

 考えた…

 目が二重になっている…

 矢田の細い目が、二重になってる…

 私は、その事実に気付いた…

 「…矢田…アンタ…整形したの?…」

 「…少しばかりな…」

 そう言って、矢田トモコは、自信たっぷりに、笑った…

 「…私のこの胸と、この大きな目…もはや、就活に抜かりはないさ…」

 矢田が宣言する。

 しかも、自分の大きな胸を、わざと揺らしながらだ…

 …そういえば、矢田も、私と同い年…

 …矢田は、就職が決まったのだろうか?…

 「…矢田…アンタ、就職は決まったの?…」

 「…決まってないさ…だから、目を二重にしたのさ…これで、就活は、ばっちりさ…」

 矢田が自信を持って言った…

 相変わらず、甘い…

 どこまでも、自分に甘いというか…

 見通しが甘いというか…

 が、

 それが、矢田トモコだった(笑)…

 「…竹下…オマエは、ダメなヤツだ…今度、私が暇なときには、オマエの面倒を見てやってもいいぞ…オマエは、頼りなさすぎるからな…」

 矢田が、自信たっぷりに言った…
 
 …ウ、ウソだろ?…

 …私も頼りないが、オマエは、もっと、頼りないだろ?…

 …そのオマエに、どうして、そんな口がきけるんだ?…

 …頭は、大丈夫か?…

 一瞬、思ったが、それが、矢田だった…

 矢田トモコだった…

 究極の愛されキャラ…

 私など、足元にも、及ばない、愛されキャラだった…

 矢田ほど、周囲の人間に愛されたひとは、見たことがなかった…

 いや、

 金輪際、出会うこともないだろう…

 矢田トモコと、ここで、再会することで、ハッキリと、現実に戻ったことを実感したというか…

 杉崎実業の内定を始めとした、騒動が、遠い過去のものに、思えた…

 私の本来、属する世界に、帰って来たのだ…

 私は、それを痛感した…

               

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