第１２３話　ギャルに支えられるお祖父さんこと、シルバーアッシュの男性

　昨日の夕方の事である。
　凄く第一印象の良いギャルを新宿で見掛けたのである。
　恐らくは彼女のお祖父さんであろう男性の腕
を取り、支えるようにして歩いていたのだ。

　何と言う素晴らしいギャルなのか！

　私はギャルを誤解していた。
　日本も捨てたものではない。
　と、遠目には確かにグリーンのジャージを着た銀髪のお祖父さんを、ギャルが・・・・・。
　が、それにしてもお祖父さんなのに、やけに矍鑠（かくしゃく）としている。
　そうして向こうから遣って来る２人に近付くにつれ全貌が明かになって行ったのだが、何とギャルはお祖父さんを支えていたのではなく、良く良く見ると単にグリーンのジャージを着た彼と腕を組んでいただけなのである。

　何故私がそんな見間違えをしたたのかと言うと、その彼が２０代と思しき年齢なのに銀髪だったからであり、その上黒マスクならまだしも分かり易いのだが、なまじ白のマスクを着けていただけに遠目には全くお祖父さんなのだ。

　私が、「ゲッ、マジで」、と、思った事は言う迄も無い。

　しかし何故２０代なのに銀髪に？

　と、ググった結果、厳密に言うと彼は銀髪ではなく、「シルバーアッシュ」、と、言う髪色である事が判明した。

　例えば「ナルト」等のアニメキャラにも「シルバーアッシュ」が見受けられ、今２０代男性の間でその「シルバーアッシュ」なる髪色は、結構人気が有るらしい。
　芸能人でも吉川晃司が「シルバーアッシュ」らしく、そんなお洒落な「シルバーアッシュ」を銀髪と一緒にしてはならないのだそうだ。

　が、しかーし、である。
　どう見てもお祖父さんに見えるのだから、「シルバーアッシュ」は銀髪だろうよ！

　そんなに「シルバーアッシュ」を主張するなら、それ程遠く無い未来に私が７０代になったら、その「シルバーアッシュ」とやらをやってやろうじゃないか。
　そうすればそれこそお祖父さんの私の髪色は「シルバーアッシュ」でもあり、銀髪でもあるのだから、やっぱり「シルバーアッシュ」は銀髪じゃねえかよ！

　と、ここで一つ。
　それ程遠く無い未来に７０代男性の間で、「シルバーアッシュ」が流行する、と、恐惶謹言させて戴く。
　かしこ。