第140話 女子が男子を抱き寄せたカップルこと、それって主流かもなカップル
文字数 1,369文字
10日程前の昼過ぎの事である。
自宅最寄り駅の階段前に飲料の自販機が置かれているのだが、その前にカップルが居た。
注目すべきは女子の方の背が高い事だ。
と、言っても、姉だろうJC(女子中学生)と思しき女子と、小学校低学年の弟であろう男子の2人である。
つまりカップルではなく姉弟だ。
ふと見ると缶を開けようとして開けれない弟の為に姉が代わりに蓋を開けてやり、その後美味しそうに缶ジュースを飲んでいる弟の頭を、姉がポンポンと叩いていたのだ。
何とも微笑ましい風景だが、その事を思い出したのは、土曜日夜に放送していたバラエティー番組で、頭ポンポンの事を取り上げていたからである。
とは言えそれは前述の姉弟とは逆にカップルの男性が女性にするもので、好きな男性から頭ポンポンをされると「キュン」なのだそうだ。
それと女性の持つ缶飲料の蓋を、好きな男性に開けて貰うのも「キュン」なのだそうだ。
しかしどうとも思っていない男性にそれ等をされた場合、下手をするとハラスメント的に嫌なのだそうである。
何とも昨今の女性とは難しいものだ。
それとこれもバラエティー番組で得た知識なのたが、一時期流行った「壁ドン」はもう古いのだそうである。
今10代後半~20代前半の女子が最も「キュン」するのは、男子に後ろからギュッとされる「バックハグ」らしい。
それにしても流行の変遷がこうも早いとは、昭和生まれの私等にはとても付いていけない。
すると昨日の夕方の事である。
と或る新宿の商業ビルの前に、20代と思しき今にも泣き出しそうな女子と、彼女より少し背の低いちっちゃ可愛い彼のカップルが居た。
彼女が彼の事をずっと見詰めているのだ。
無論10日程前に駅前で見掛けた2人のように、彼等が姉弟と言えない事はない。
しかし決定的に以前の姉弟と違うのは2人共大人で、ジュースを手に蓋を開けて欲しそうにしているのが彼女の方で、マスク越しにも眼に涙を溜めているのは彼女の方だったのである。
可哀想に別れ話でもしているのだろう。
と、私が思った次の刹那の事、彼女の方が彼をグッと引き寄せて抱き締めたのである。
してみるとこれは別れ話では無かったのか?
と、言うより、これは感動のシーンなのか?
と、思ったのではあるが、その直後、「それって男女逆でしょ」、と、胸中に呟いた私。
バックハグでは無いものの、「そこは彼女じゃなく彼がグッと引き寄せて、抱き締めるべき処でしょう」、と、私は再度呟いた。
やがて2人して自身のマスクを外し、唇を合わせた2人。
そうしてその刹那立ち止まった私は、或る程度距離を置いて、スマホを弄るフリで暫時2人を見守ったのである。
ややあってキスの後身体を離した2人。
すると今度は彼の方が、彼女の手にしていた缶コーヒーの蓋を開けてやったのだ。
またまた私は、「そこは彼がするんかよ!」
、と、胸中に呟きその場を後にしたのである。
と、ここで一つ。
先日の化粧男子然り。
男女逆転の昨今に於いては、そんなに遠く無い将来、女子が男子に「壁ドン」する「逆壁ドン」や、女子が男子に「バックハグ」する「逆バックハグ」が主流になるのではないか、と、恐惶謹言させて戴く。
否、主流なのだから、女子が男子にするのが
「正壁ドン」であり、「正バックハグ」かも。
かしこ。
自宅最寄り駅の階段前に飲料の自販機が置かれているのだが、その前にカップルが居た。
注目すべきは女子の方の背が高い事だ。
と、言っても、姉だろうJC(女子中学生)と思しき女子と、小学校低学年の弟であろう男子の2人である。
つまりカップルではなく姉弟だ。
ふと見ると缶を開けようとして開けれない弟の為に姉が代わりに蓋を開けてやり、その後美味しそうに缶ジュースを飲んでいる弟の頭を、姉がポンポンと叩いていたのだ。
何とも微笑ましい風景だが、その事を思い出したのは、土曜日夜に放送していたバラエティー番組で、頭ポンポンの事を取り上げていたからである。
とは言えそれは前述の姉弟とは逆にカップルの男性が女性にするもので、好きな男性から頭ポンポンをされると「キュン」なのだそうだ。
それと女性の持つ缶飲料の蓋を、好きな男性に開けて貰うのも「キュン」なのだそうだ。
しかしどうとも思っていない男性にそれ等をされた場合、下手をするとハラスメント的に嫌なのだそうである。
何とも昨今の女性とは難しいものだ。
それとこれもバラエティー番組で得た知識なのたが、一時期流行った「壁ドン」はもう古いのだそうである。
今10代後半~20代前半の女子が最も「キュン」するのは、男子に後ろからギュッとされる「バックハグ」らしい。
それにしても流行の変遷がこうも早いとは、昭和生まれの私等にはとても付いていけない。
すると昨日の夕方の事である。
と或る新宿の商業ビルの前に、20代と思しき今にも泣き出しそうな女子と、彼女より少し背の低いちっちゃ可愛い彼のカップルが居た。
彼女が彼の事をずっと見詰めているのだ。
無論10日程前に駅前で見掛けた2人のように、彼等が姉弟と言えない事はない。
しかし決定的に以前の姉弟と違うのは2人共大人で、ジュースを手に蓋を開けて欲しそうにしているのが彼女の方で、マスク越しにも眼に涙を溜めているのは彼女の方だったのである。
可哀想に別れ話でもしているのだろう。
と、私が思った次の刹那の事、彼女の方が彼をグッと引き寄せて抱き締めたのである。
してみるとこれは別れ話では無かったのか?
と、言うより、これは感動のシーンなのか?
と、思ったのではあるが、その直後、「それって男女逆でしょ」、と、胸中に呟いた私。
バックハグでは無いものの、「そこは彼女じゃなく彼がグッと引き寄せて、抱き締めるべき処でしょう」、と、私は再度呟いた。
やがて2人して自身のマスクを外し、唇を合わせた2人。
そうしてその刹那立ち止まった私は、或る程度距離を置いて、スマホを弄るフリで暫時2人を見守ったのである。
ややあってキスの後身体を離した2人。
すると今度は彼の方が、彼女の手にしていた缶コーヒーの蓋を開けてやったのだ。
またまた私は、「そこは彼がするんかよ!」
、と、胸中に呟きその場を後にしたのである。
と、ここで一つ。
先日の化粧男子然り。
男女逆転の昨今に於いては、そんなに遠く無い将来、女子が男子に「壁ドン」する「逆壁ドン」や、女子が男子に「バックハグ」する「逆バックハグ」が主流になるのではないか、と、恐惶謹言させて戴く。
否、主流なのだから、女子が男子にするのが
「正壁ドン」であり、「正バックハグ」かも。
かしこ。