第68話 鋭い眼光の美容部員さんこと、何処かで見た眼の美容部員さん

文字数 865文字

 昨日の事である。
 弁当を買いに行こうと新宿の百貨店に入り、正面の入口から何時ものコースで地下に。
 その地下迄のコースの一階の通り道には、ズラッと有名化粧品メーカーが並んでいる。
 言う迄もなく化粧品売り場には美容部員さんが居る。
 これはお決まりの風景。
 が、コロナ禍以前とは違い美容部員さん迄がマスク着用を余儀なくされる昨今、自身のメイクさえ見せられないのだから、コスメをプレゼンする際の美容部員さんの心中や如何ばかりなものかとお察しする。

 それでなくとも売上が激減している化粧品業界である。
 一点でも多くコスメを、否、利益率の良い基礎化粧品を売らなければならないのは必至。
 とは言え顧客の肌に合うかどうか或いは予算の問題等、基礎化粧品の販売を完遂する迄にはクリアしなければならない問題点だらけ。
 それにこのコロナ禍だ。
 美容部員は何とも大変な仕事である。
 特に接客ともなると、一人一人に対して真剣勝負なのだ。

 通りがけに見るだけなのだが、美容部員さん一人一人がマスク越しにも真剣な眼差し。
 と、私はその美容部員さんの鋭い眼光を昨日見掛けた際に、同じ眼を何処かで見た気がしたのである。
 しかしどうにもその場では思い出せずに、食品売り場へ。

 弁当を購入し全くその事を忘れていた私は、そこからSoftbankとYmobileを扱う携帯ショップに行った。
 と、その際ソフトバンクホークスのマスコットのイラストが眼に入ったのだが、鷹の顔がやたらと可愛い。

 本物の鷹ってこんなか?

 そう思ったのだが、否、違う。
 眼が可愛い過ぎる。
 と、思い直した私はググってみる事にした。
 直後スマホで本物の鷹の眼を見た時である。
 鮮明に記憶が蘇ったのだ。
 さっき美容部員さんの鋭い眼光を、何処かで見掛けた気がしていた事を。
 それはドンピシャに鷹の眼であった。
 それも獲物を狙う時の鷹の。
 うーん。
 そうだったか。
 
 ここで一つ。
 一日も早くこのコロナ禍から開放され、美容部員さん達の接客の際の眼が、ホークスのマスコットのようになる事を祈念する。
 かしこ。

ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み