第36話 手を繋ぐ女子達こと、デモ行進では無い女子達

文字数 1,005文字

 先日新宿西口の沿道を歩いていると、向こう側からやたら横に拡がって歩いている女性数人組が、手を繋いでやって来たのである。
 宛らデモ行進のように行く手を阻んでいて、私の前を歩く人達は皆一様に道を譲っているようだった。
 ミャンマーでのクーデター事件への抗議のデモかも知れない、と、刹那に思考を巡らせたの
だが、良く見るとそれは数人の女子では無くたった2人の女子の行進だったのである。
 私が「ゲッ、マジで」、と、思った事は言う迄も無い。
 凡そ通常の女子2人分のポッチャリ女子2人が手を繋いでいて、都合4人分の幅を取ってはいるものの決してデモ行進ではないのだ。
 喩えて言うと、「3時のヒロインのかなでちゃんとゆめっち」の二人が手を繋いで前から歩いて来る感じ、と、でも言おうか。
 その圧迫感たるや半端ない。

 誤解しないで戴きたいのだが、私は決してポッチャリ女子をディスるつもりはない。
 どちらかと言うと好きなのである。
 が、しかし、そう言う問題では無いのだ。
 それからもう一点。
 思うに普通の友人なら、そんな風にガッチリと手を繋ぐだろうか。
 ポッチャリ女子のカップルがデート中?
 と、考えれば辻褄が合うのだが、またここでも誤解しないで戴きたいのだが、私は決してLGBTの女子をディスるつもりもないのだ。
 再び重ねて言うが、そう言う問題でも無い。
 
 私は何が言いたいのかと言うと、デート中で手を繋ぐならそう言うポッチャリカップルは、「横」に手を繋がずに、「縦」に手を繋いで歩いて戴く事は出来ないのか、と、言う事。
 思うに「横」に手を繋いでも、「縦」に手を繋いでも、愛情や友情に変わりはないと思うのだが如何か。

 なので次回そのポッチャリ女子二人組を見掛けたら、彼女達に言ってみるつもりだ。

「申し訳ないんですけど、縦に手を繋いで戴く訳にはいきませんかね」、と。

 でも、それは言い難いよなぁ。
 それにきっと怒るよなぁ。
 ではどう言えば良いのか。
 これはどうか?

「すいません。
 横に手を繋ぐんなら、もうちょっと痩せて貰えますか二人とも」、と。

 余計怒られる事は火を見るより明らか。
 あぁ、どうすれば良いのだろう。
 何とも扱い難いポッチャリ二人組である。
 と、それでもその二人組にもう一度会いたいなぁ、と、思っている私が居るのだ。
 そんな私の思考回路こそ謎だと言えまいか。
 そうして自分で自分が全く理解出来ない、今日の私なのであった。
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