第40話 完全防備の男こと、実は無防備な男

文字数 688文字

 先頃米国CDC(疾病対策センター)が2枚マスクの効果について発表してからと言うもの、街中でも2枚マスクの人を多く見掛けるようになった。
 斯く言う私もその内の1人で、街に出る際は不織布マスクの上から布マスクをしている。
 最初は少し息苦しく感じるが、慣れればどうと言う事はない。
 90%以上のウイルス防止効果があるのだがら、遣らぬ手はない。

 そんな中で医療関係者なのだろうか、マスクをした上にフェイスシールドをした人も見掛けるようになった。
 なる程それは効果が上がりそうな気がするのだが、先日マスクにフェイスシールドをして、尚且つ帽子を被っている人を見掛けたのだ。
 帽子を被るとより効果が上がるのか〜、と。
 うーん。
 帽子って〜、どうなの?
 部屋に戻ってググってみるか、と、思った矢先そのマスクにフェイスシールドをして、尚且つ帽子を被っているその完全防備の男性が、帽子を取ったのである。

 と、完全防備だった筈のその男性が、帽子を取ると頭頂部の辺りだけが全く無防備になったのであった。
 しかしその時点で、感染症と帽子の関連性についてはググる必要が無くなった。
 そうなのである。
 彼の頭頂部には髪の毛が全く乗っかっていなかったのだ。
 何の事は無い。
 コロナ感染症防止の為ではなく、頭頂部の状況が露見する事を帽子、あ、そっちの帽子では無くて、防止だった。
 つまり頭頂部の状況が露見する事を防止する為の帽子だったのである。
 うーん、納得。
 今後皆様も街でマスクにフェイスシールドをして、尚且つ帽子を被っている完全防備の男性を見ても、別にググる必要が無い事を恐惶謹言させて戴く。
 かしこ。
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