第14話 帽子のオーナーさんこと、ミニクーパーのオーナーさん

文字数 1,649文字

 イギリス車のミニクーパー、と、言う車の事をご存知の方ならお分かりだろう。
 男性でミニクーパーに載っている人は、皆が皆お洒落さんだと言う事を。
 例えばミニクーパーの屋根にユニオンジャックを描いてしまう程U.K.音楽好きな男性や、ハンティングジャケットやハンチング帽をこよなく愛するアウトドア派の男性等。
 そう言った伊達男達の愛車が、何を隠そうミニクーパーなのである。
 若い世代で知らない方もいらっしゃるだろうが、今から30年程前に「シティハンター」、と、言うアニメに登場した事で日本でも一躍有名になった車だ。
 とは言えやはり外車であるが故に、イギリスならまだしも日本ではそうそう頻繁に見掛ける車種ではない。
 だから街でたまに見掛けると、私はミニクーパーと運転しているオーナーさんをついつい見てしまうのだ。
 たとえばこれがベ○ツやジ○ガー、或いはロー○ス・ロ○スなどの怖い系の人が乗っていそうな車種なら、見るにしても注意を払わねばならない。
 が、しかし、ミニクーパーだけは100%そんな心配はいらないのである。
 怖い人が乗っていた事は最低限私の見た限りでは一度もないし、また仮に怖い人がミニクーパーに乗っていても、その時点でその人は怖い人じゃなくなる。
 それこそがミニクーパーのミニクーパーたる所以であると言えよう。
 だから安心してみれると言うのもある。
 私はそんなミニクーパーを結構昔からチェックして来たのだが、数年前或る事に気付いた。
 冬の間は殆どのミニクーパーオーナーの男性が、帽子を被っている、と、言う事に。
 しかもかなりお洒落にこだわった帽子だ。
 ハンチング帽、縁の有るハット等、それはそれは皆さんお洒落なのである。
 昨年末から5〜6台のミニクーパーを見たが、皆さん例に漏れず帽子を被っていた。
 いいなあ、お洒落だなあ、と、何時も憧れを持って見ているのだが、今年の正月早々もミニクーパーが駐車している処を見掛けた。
 その時ハンチング帽を被っていたオーナーさんが、たまたまその帽子を脱いで車中に放り込んだのである。
 と、何と、彼の頭部がトレンディエンジェルの斎藤さん状態だったのである。
 そうなのだ。
 あの有名な、「斎藤さんだぞ」のギャグでお馴染みの、トレンディエンジェルの斎藤さんを皆さんご存知の事と思うが、そのオーナーさんの帽子を脱いだ頭部が、正にあの斎藤さんと同じような形態の「○ゲ」だったのだ。
 ん、待てよ、て事は、ミニクーパーのオーナーさんって、帽子被ってるのはお洒落じゃなくて、そっち?
 ひょっとして「○ゲ」隠しだったのか!
 と、下衆の勘ぐりと取られても仕方のない疑念を抱いた私だが、直ぐに思い直した。
「それってたまたま1人がそうだっただけで、まさか他には居ないよなぁ。ミニクーパーのオーナーさんは皆お洒落だから俺のやっかみだよなぁ。まったく俺って奴は」、と。
 ところがつい3日前強ち私のやっかみではないかも、と、思う事が・・・・・。
 実はハットを被っていたもう1人全く別のミニクーパーのオーナーさんが、帽子を脱いでいる瞬間を見掛けたのだ。
 と、今度のオーナーさんの雰囲気はトレンディエンジェルの斎藤さんではなく、どちかと言うと相方の「たかし」であった。
 凄くお洒落さんだったが、頭部はやはりその人も・・・・・「たかし」もしくは、それ以上だったかも知れない。
 これは飽く迄もたった2件の事例で、他のミニクーパーのオーナーさんもそうだ、と、言う事は断じて無い。
 断じて無い、が、しかし良く良く考えてみると、「○ゲ」隠しもお洒落の一環だよなぁ、と、フォローにも何もならない事を言ってしまう私。
 しかし誤解しないで欲しい。
 私はミニクーパーの大ファンであると同時に、ミニクーパーのオーナーさんの大ファンでもあるのだ。
 その事だけは分かって戴きたい。
 加えて声を大にして言いたい。
 たとえ「○ゲ」ていても、私はミニクーパーとミニクーパーのオーナーさんの大ファンだ
、とも。
 あれ、違うか?

 
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