第107話 それってポジティブボディなの? なちっちゃめ女子こと、優遇無用の女子
文字数 2,374文字
先日地上波放送の夕方のニュースで、何処だかの百貨店で「ポジティブボディ」の為のセールだか何だかのイベントをやっている、と、言うニュースを流していた。
私は凄い良いアイデアだなと思い、発案者に快哉を贈りたい気持ちになったのである。
世の中捨てたもんじゃないなぁ、と。
何を隠そう、私はポッチャリ女子を日々応援しているのだ。
余りにも良い取り組みなので、真剣にそのニュースに聴き入った。
何とレディースの服や靴等大きめのサイズの品揃えを増やし、割引きするのだそうだ。
何と言う素晴らしいアイデアなのだ。
私は頻りに肯いていた。
と、その直後である。
その他同じように小さめのサイズの品揃えも増やし、大きめサイズと同様に割引もするのだ、と、アナウンサーが付け加えたのは。
否、否、否、否、否、と、私は何度も否を、1人部屋で声に出して言った。
それはおかしい!
つまりそれは人類史上最強に恵まれた「ちっちゃめ女子」と、日々辛い思いを克服しなければならない「ポッチャリ女子」とを、同等に優遇する事になる。
それは有り得ない不公平だ。
例えば「ちっちゃめ女子」キャンペーンだとか、「ちっちゃめ女子」イベントとかを、ポジティブボディキャンペーンと分けて行うなら、私は何も言わない。
ところが「ちっちゃめ女子」の身体的優位をまるで身体的不利でもあるかのように、ポジティブボディのキャンペーンに組み込んでいるのだから、それは不公平だと言わざるを得ない。
喩えて言えば富裕層への課税を減税してやるようなもので、今回の米バイデン大統領が提案するキャピタルゲイン課税への増税法案を、逆に減税法案にして提案するようなものだ。
そんな事をしようものなら、バイデン氏が失脚するだけでは済まない。
民主党自体が崩壊する憂き目に合うだろう。
例えばである。
その優遇を受ける「ちっちゃめ女子」が、石原さとみであったり、橋本環奈であったり、或いは浜辺美波であったり、吉岡里帆であったりした場合どうだろう。
そうして彼女達を代表して少し年長の田中みな実が、「私達ちっちゃいと言う身体のハンディキャップが有る女性達に、ポジティブなキャンペーンをありがとうごさいます」、と、涙眼で言ったりしたら。
恐らくそれを聴いた人全員が、「はぁー。ハンディキャップ?」、と、なるのは必至。
或いはポッチャリだったり高身長だったりする女子からは、首を絞められるのではないか。
正に昨日の夕方その「ちっちゃめ女子」が如何に優遇されているのか、その事を証明する出来事が起こったのである。
無論緊急事態宣言下の今、百貨店では衣料品売り場は総てクローズされている。
即ちレディースの衣料品売場ではなく、事が起こったのは地下の惣菜・弁当コーナーでだ。
家族連れもしくは主婦か主夫が1人で、と、言うのが惣菜・弁当コーナーの主な登場人物である。
それでなくとも目立つ20代のカップルなのだが、そのカップルの女性と言うのが「ちっちゃめ女子」で、しかもマスク越しにも可愛いであろう事は想像に難くない。
何だかんだでそのカップルの事が気になって仕方の無い私は、上手く距離を保って2人の話に聴き耳を立てた。
するとその「ちっちゃめ女子」が、私はそんなに食べれないだの、何でもいいよだの言っておいて、結局は超高級鰻弁当を手にしていたのである。
しかも彼の分と2つもだ。
年長の私が激安弁当を手にしている、と、言うのにも拘わらずにである。
もうその時点で私はこの世の不条理と、彼に優遇される「ちっちゃめ女子」にぶち切れる寸前であったのであるが。
と、彼が、「ちょっとトイレ言ってくる」、
と、「ちっちゃめ女子」をレジ待ちの列に並ばせて姿を消したのである。
最早ネタにもならない羨ましいだけの2人。
結構な並び具合だったので、私が列に並んだのは「ちっちゃめ女子」のかなり後ろだった。
ところが一旦列を離れた彼女は、スマホを取り出して誰かに電話し始めたのである。
気になって仕方の無い私は、彼女の話の聴こえる距離に移動した。
と、「ちっちゃめ女子」が、通話相手に対して以下のように言っていたのである。
相手の声は聴こえ無いし会話の断片だけにはなるが、大体誰に何を言っているかは分かる。
「うん、今日は無理かなぁ。
友達と百貨店来てて、化粧品買ってる。
え、あぁ、じゃ明日はどう?
分かってる、分かってる。
で、○○君はなにしてるの?
うん、うん。
えっ、馬ぁ鹿~、そんな事今言えないよ。
うん、分かってる。
じゃあね、また明日」
私が「ゲッ、マジで」、と、思った事は言う迄も無い。
直後電話を切って、レジ待ちの列に並び直した「ちっちゃめ」女子。
私も彼女の2人後ろに並んだ。
と、そこへ、こっちの彼がトイレから帰って来たのである。
そうして「ちっちゃめ女子」の曰く。
「友達に電話してて、一度列から離れてたの。
後ろになっちゃった。
ごめんねぇ。
明日一緒に化粧品買いに行く約束したの」
直後私がトイレから戻って来た彼に、「総てを言ってやろうか」、と、胸中に呟いたのだが、その後一瞬マスクを外した「ちっちゃめ女子」の顔を見て、「あ~、なる程。ま、仕方無いか」、と、私の胸中は諦念に覆われた。
鬼可愛いかったのだ。
勿論総ての「ちっちゃめ女子」と言う訳では無いが、以上のように優遇する必要等一切無い「ちっちゃめ女子」は少なくない。
と、ここで一つ。
皆様方には斯く言う私が、その後もその他マスク越しにも可愛い感じの「ちっちゃめ女子」を眼で追っていた事を白状し、男の愚かさを露呈していた事を認めるが、しかしそれは男の性なのである、と、恐惶謹言させて戴く。
因って「ちっちゃめ女子」への優遇は、一切無用なのである。
かしこ。
私は凄い良いアイデアだなと思い、発案者に快哉を贈りたい気持ちになったのである。
世の中捨てたもんじゃないなぁ、と。
何を隠そう、私はポッチャリ女子を日々応援しているのだ。
余りにも良い取り組みなので、真剣にそのニュースに聴き入った。
何とレディースの服や靴等大きめのサイズの品揃えを増やし、割引きするのだそうだ。
何と言う素晴らしいアイデアなのだ。
私は頻りに肯いていた。
と、その直後である。
その他同じように小さめのサイズの品揃えも増やし、大きめサイズと同様に割引もするのだ、と、アナウンサーが付け加えたのは。
否、否、否、否、否、と、私は何度も否を、1人部屋で声に出して言った。
それはおかしい!
つまりそれは人類史上最強に恵まれた「ちっちゃめ女子」と、日々辛い思いを克服しなければならない「ポッチャリ女子」とを、同等に優遇する事になる。
それは有り得ない不公平だ。
例えば「ちっちゃめ女子」キャンペーンだとか、「ちっちゃめ女子」イベントとかを、ポジティブボディキャンペーンと分けて行うなら、私は何も言わない。
ところが「ちっちゃめ女子」の身体的優位をまるで身体的不利でもあるかのように、ポジティブボディのキャンペーンに組み込んでいるのだから、それは不公平だと言わざるを得ない。
喩えて言えば富裕層への課税を減税してやるようなもので、今回の米バイデン大統領が提案するキャピタルゲイン課税への増税法案を、逆に減税法案にして提案するようなものだ。
そんな事をしようものなら、バイデン氏が失脚するだけでは済まない。
民主党自体が崩壊する憂き目に合うだろう。
例えばである。
その優遇を受ける「ちっちゃめ女子」が、石原さとみであったり、橋本環奈であったり、或いは浜辺美波であったり、吉岡里帆であったりした場合どうだろう。
そうして彼女達を代表して少し年長の田中みな実が、「私達ちっちゃいと言う身体のハンディキャップが有る女性達に、ポジティブなキャンペーンをありがとうごさいます」、と、涙眼で言ったりしたら。
恐らくそれを聴いた人全員が、「はぁー。ハンディキャップ?」、と、なるのは必至。
或いはポッチャリだったり高身長だったりする女子からは、首を絞められるのではないか。
正に昨日の夕方その「ちっちゃめ女子」が如何に優遇されているのか、その事を証明する出来事が起こったのである。
無論緊急事態宣言下の今、百貨店では衣料品売り場は総てクローズされている。
即ちレディースの衣料品売場ではなく、事が起こったのは地下の惣菜・弁当コーナーでだ。
家族連れもしくは主婦か主夫が1人で、と、言うのが惣菜・弁当コーナーの主な登場人物である。
それでなくとも目立つ20代のカップルなのだが、そのカップルの女性と言うのが「ちっちゃめ女子」で、しかもマスク越しにも可愛いであろう事は想像に難くない。
何だかんだでそのカップルの事が気になって仕方の無い私は、上手く距離を保って2人の話に聴き耳を立てた。
するとその「ちっちゃめ女子」が、私はそんなに食べれないだの、何でもいいよだの言っておいて、結局は超高級鰻弁当を手にしていたのである。
しかも彼の分と2つもだ。
年長の私が激安弁当を手にしている、と、言うのにも拘わらずにである。
もうその時点で私はこの世の不条理と、彼に優遇される「ちっちゃめ女子」にぶち切れる寸前であったのであるが。
と、彼が、「ちょっとトイレ言ってくる」、
と、「ちっちゃめ女子」をレジ待ちの列に並ばせて姿を消したのである。
最早ネタにもならない羨ましいだけの2人。
結構な並び具合だったので、私が列に並んだのは「ちっちゃめ女子」のかなり後ろだった。
ところが一旦列を離れた彼女は、スマホを取り出して誰かに電話し始めたのである。
気になって仕方の無い私は、彼女の話の聴こえる距離に移動した。
と、「ちっちゃめ女子」が、通話相手に対して以下のように言っていたのである。
相手の声は聴こえ無いし会話の断片だけにはなるが、大体誰に何を言っているかは分かる。
「うん、今日は無理かなぁ。
友達と百貨店来てて、化粧品買ってる。
え、あぁ、じゃ明日はどう?
分かってる、分かってる。
で、○○君はなにしてるの?
うん、うん。
えっ、馬ぁ鹿~、そんな事今言えないよ。
うん、分かってる。
じゃあね、また明日」
私が「ゲッ、マジで」、と、思った事は言う迄も無い。
直後電話を切って、レジ待ちの列に並び直した「ちっちゃめ」女子。
私も彼女の2人後ろに並んだ。
と、そこへ、こっちの彼がトイレから帰って来たのである。
そうして「ちっちゃめ女子」の曰く。
「友達に電話してて、一度列から離れてたの。
後ろになっちゃった。
ごめんねぇ。
明日一緒に化粧品買いに行く約束したの」
直後私がトイレから戻って来た彼に、「総てを言ってやろうか」、と、胸中に呟いたのだが、その後一瞬マスクを外した「ちっちゃめ女子」の顔を見て、「あ~、なる程。ま、仕方無いか」、と、私の胸中は諦念に覆われた。
鬼可愛いかったのだ。
勿論総ての「ちっちゃめ女子」と言う訳では無いが、以上のように優遇する必要等一切無い「ちっちゃめ女子」は少なくない。
と、ここで一つ。
皆様方には斯く言う私が、その後もその他マスク越しにも可愛い感じの「ちっちゃめ女子」を眼で追っていた事を白状し、男の愚かさを露呈していた事を認めるが、しかしそれは男の性なのである、と、恐惶謹言させて戴く。
因って「ちっちゃめ女子」への優遇は、一切無用なのである。
かしこ。