第82話 金髪でちっちゃ可愛い男子こと、ジェンダーレス男子

文字数 1,217文字

 今日の夜10時くらい新宿の街を歩いていた時の事、男性の方が女性よりちゃちゃいカップルを発見した。
 彼等の直ぐ後ろを歩いていたのだが、女性はスタイルが良くブラウン系のサラサラの髪の毛で、高級ブランドの服を着ていた。
 そしてまた男性の方が輪を掛けてお洒落に気を使うタイプのようで、カラフルなスはニーカーに髪色はゴールドだった。
 それに何よりエルメスの女性用ケリーバッグを提げていて、私は一瞬「お姉」かとも思ったが、近付くにつれ彼等の声が聴こえて来て、会話の内容からも彼が「お姉」で無い事が判明。
 声や言葉遣いからも彼は普通の男性で、また彼女の方も声からして、「お姉」ではなく「女性」である事は明らか。
 とは言え彼の方が寄り添うように歩いていて、彼がマスクをしていると言うのに彼女の方はマスクを外していた。
 人通りの少ない場所柄私とそのカップル意外には通行人も居らず、彼女はついついマスクを外してしまったのだろうと思う。
 余り褒められた事では無いが、注目すべきは彼ではなく彼女がマスクを外していた事と、彼が彼女に寄り添うようにしていた事。
 何となく男女が入れ替わったような感じ。

 それにしても彼女の方は美人だった。
 彼の方はマスクをしていて分からなかったが、或いは可愛いのだろうか。
 この間奇麗過ぎる「お姉」を目の当たりにして衝撃を受けた直後だったので、最早女性がどうで男性がどうでとかどっちでもいいや、と、言う感覚になった。
 要するに奇麗であれば或いは可愛いければ、性別なんかどうでもいいや、と、言う事。
 恐らく先程のカップルの二人はそんな感覚なのでは無いのだろうか。
 無論彼等が何処へ向かうのか最後迄付いて行った訳ではないし、彼等がカップルなのか友人なのか定かではない。
 しかし仮にカップルでは無いにしても、親密な関係である事は間違いない。

 そんな昨日の夜帰宅後に日テレで、「カラフラブル〜ジェンダーレス男子に愛されてます〜」、と、言うタイトルのドラマが始まった事が、とても偶然とは思えなかったのである。
 そうしてこのドラマを見終わった私は、何としても五輪組織委員会元会長の森氏に観て貰うべきだ、と、思った。
 そうして鑑賞後時代錯誤の意見を言って戴くと共に、ブチ切れて貰っては如何であろう。
 彼が何故何度も女性蔑視発言を繰り返したかが、鑑賞後の言葉を聴けば或いは若い世代の人達にも理解出来るかも知れない。
 彼等「修身」の教科書で戦前の道徳教育を叩き込まれた人達と、現代の道徳教育を受けた若い世代の人達は180度違うのである。
 恐らく森氏には女性蔑視発言が何故悪いのか以上に、ジェンダーレス男子の事は理解出来ないだろう。

 ここで一つ。
 森氏には女性蔑視発言の罪とジェンダーレス男子の事を理解して貰う為に、髪色を金髪にして貰いエルメスの女性用ケリーバッグを提げてジェンダーレスを体感して戴いてはどうか、と、恐惶謹言させて戴く。
 かしこ。
 
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