三題噺のお部屋
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「今日は学校休むか」
気だるげに呟いたスバルは、大人しくベッドで寝る事にした。
スバルの目が覚める頃、時刻は夕方になっていた。調子も良くなり熱も下がっていたので、起きようと思ったその時。
コンコンとドアのノックされる音がなった。親は共働きでまだ帰ってくる時間ではないし、お見舞いに来てくれるような友達もいない。可能性があるとすれば、スバルが片想いしている女性のエミリアなのだが。
「どちら様でしょうか」
「スバルー、私だよ! エミリアだよ!」
声を聞いた途端、心臓が口から飛び出しそうなほどドキドキした。しかし好きな女の前では格好を付けて居たいため、平然を装いドアを開けた。
「お、エミリアどうしたの...... って、なんで着ぐるみなんて着てるの!!」
「お友達がこれを着ていけばスバルは元気出るって言ってたから着てみたんだけど、やっぱりおかしいかな。」
「かわいいは正義だからオッケーだよ!!ビックリはしたけど。で、どうしたの?」
するとエミリアは、足元に置いていた袋から花束を取り出してスバルに差し出した。
「これカーネーションって言うんだけど、本来はお母さんとかに渡すものなの。でも私はこの花が一番好きだから、スバルに渡したいと思って。ただのお見舞いだから、お返しなんていらないからね!」
花を受け取ったスバルは素直に『ありがとう』と言ったが、嬉し涙を必死にこらえているせいで少し鼻水が出ていた。
真白ぽんりる
mashiroponrir
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