ヤドナシ

文字数 737文字

『宿に戻る』 ヤドナシ


ノベルデイズという小説投稿サイトに「三題噺のお部屋」という自由コラボ小説がある。サイトの利用者なら誰でも書き込めるようになっていて、発表された3つのお題をもとに、参加者が自由に作品を書いていく場所だ。


ヤドナシも三年前、よくここに現れては、古参や新規の人たちと混じって自分も小説を投稿していた。最初の頃はほとんど毎週作品を投稿し、他の作品の感想も書いたり、のんびりとこの部屋を満喫していた。

けれども、しばらくすると本業や他の文章を書く仕事が増え、「三題噺のお部屋」に顔を見せることも少なくなっていった。ヤドナシの本業は、なんと教会の牧師である。毎週日曜日の礼拝と水曜日の聖書研究で、4000〜6000字程度の原稿を書かなければならない。

それだけならそこまで大変でないのだが、年を経ると色んな役割が増えていく。ホームページの管理やら、役員会の資料やら、キリスト教概論の授業やらでパソコンに貼り付く時間が増える一方、空き時間になかなかこの部屋へ来れなくなった。ようやく今のペースにも慣れてきて、久しぶりに部屋を覗くと、かつて自分が発表したことも忘れた「お題」がこの部屋で待っていた。

「パソコン」「日曜日」「毛玉」

最初の二つを見たとき、ヤドナシは近況報告がてら、三年ぶりの伏線回収ができるじゃないかと閃いた。問題は最後の「毛玉」だ。ヤドナシの家には残念ながら猫がいない。ここ最近、毛玉に関するエピソードもない。

ただし幸い、電車で一時間ほど行ったところの実家に猫がいる。そう言えば「猫たちがまた毛玉を吐いたかも……」とこの前母が言っていた気もする。うむ、これで伏線回収としよう……そんな感じで、またこちらに戻ってきましたヤドナシです。どうぞよろしく。(・ω・)ノ
2021/04/08 12:16

yomogi

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