間部小部法竜

文字数 393文字

 成人式の日、俺は死んだ。


 俺は友人と成人式が終わった後すぐに、酒を飲みに出かけた。一から二時間ほど飲んだところで具合が悪くなり、一人で家まで歩いた。


 飲んでいた居酒屋から家までは、歩いて三十分くらいの距離だったので、友人がタクシーを呼んでくれると言ったのを断ったのだ。


 だが、それは間違いだった。


 足元がおぼつかない中、セマイロジヲフラフラと歩いていると、遠くの方から車のヘッドライトが見えた。


 俺は、一度立ち止まり電柱に身を預けた。普通に立っていたら、倒れてしまうそうだったからだ。


 裏側から見て、俺は電柱の陰で見えていない状態だったのだろう。


 俺の横にある塀の上から黒猫が一匹飛び出していった。

2018/01/12 22:11

CHIHIRO_F

「あっ!―――」
2018/01/12 22:26

CHIHIRO_F

 俺がそう声を上げた瞬間、体にすさまじい衝撃を感じた。


 車は、急に出てきた猫を避け、俺がいる電柱の方へいきおいよく衝突してきたのだ。


 人生の歯車は、なんて残酷なんだ……。

2018/01/12 22:26

CHIHIRO_F

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