南雲あや

文字数 384文字

南雲あや
2018/01/11 00:19

nakumoaya

猫は、成人したら人間になる。



そういう村で、そういう伝統としてあり、つまりは人間と猫が混濁している。

2018/01/11 00:19

nakumoaya

幼馴染の彼女より一足先に成人を迎えた僕は、今日で人種の違う存在となってしまった。

2018/01/11 00:19

nakumoaya

にゃー……

2018/01/11 00:20

今まで普通に会話をしていたはずなのに、僕が人間になったから猫が喋っているようにしか聞こえない。何言っているか分からなくなるんだ。そんなことも人間となってから知った。

2018/01/11 00:20

nakumoaya

人間となって、社会に出ていく僕と、ネコとしてのんびり村で暮らす彼女。



もう噛み合わさっていたはずの歯車は噛み合わない。

2018/01/11 00:21

nakumoaya

じゃあ、今日から人間の世界へと行ってくるね
2018/01/11 00:21
にゃーにゃー
2018/01/11 00:22
……うん。お互い人間として同じ社会で出会えたらいいね。

また、一緒に話そう

2018/01/11 00:22
にゃあ!
2018/01/11 00:23
元気よく鳴いた。

はい、というニュアンスの鳴き声。


人種が変わってしまってもまたいつか、という思いだけは同じなのだ。


僕は猫だらけの街を抜けた。二息歩行で。

2018/01/11 00:23

nakumoaya

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