三題噺のお部屋
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終業のチャイムとともに、俺は講堂を飛び出した。
……というのも、朝ご飯を抜いてきたせいか授業中は腹が鳴りっぱなしで、周りの人に多大な迷惑をかけたと同時に、俺自身の羞恥心が恥ずかしさのあまり悲鳴を上げたからだ。
今まで感じたこともないくらいの空腹。耐えられない。一歩進むごとに腹が鳴る。
「まさか朝飯を抜いただけで、こんなになるなんて……平和ボケした腹だな」
「平和ボケしてるのはお腹だけじゃないでしょ、類くん」
「え?」
後ろから声をかけてきたのは、たまたま授業が被った友人・サトルだった。彼の手には、俺のリュックがぶら下がっている。
「空腹に耐えかねて講堂を飛び出したまではいいけど、荷物を忘れちゃダメでしょ。サ●エさんじゃないんだから。だいたい、君はいつも――」
「で、何を奢ればいい?」
「ラーメンで」
サトルからリュックを受け取って、一応財布の中身をうかがう。5000札が入っていた。俺の全財産。家の電気料金を払うためにおろしてきた5000円だが、これだけあればサトル一人くらいなら奢ることが出来る。
「じゃ、いこうか」
「ゴチになりまーす」
……ラーメンは美味かった。とても。
しかし、俺の家は、次のバイト代が入るまで停電する羽目となった。
CHIHIRO_F
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