三題噺のお部屋
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『流されやすい私の一日』
日課である犬の散歩をしていると、後ろから黒塗りのワゴン車が低速運転で私のことをつけていた。そういえば最近この辺りに不審者が現れると、学校の先生が口にしていたのを思い出す。
歩くスピードを上げると、車もそれに合わせて速度を上げる。万が一不審者が襲ってきてもうちの犬が追い払ってくれる……わけないか。ただのチワワだもん、この子。
そんなことを考えていると、後ろにいた車が私を追い越して停車し、黒いサングラスをかけて、黒いスーツを着たいかにも怪しい男が私に向かって歩み寄ってくる。
チワワがウウゥッと唸っているけどそれすら愛らしくて威嚇にすらなってない。
「おい! そこのお前!」
「は、はい。何でしょうか?」
大声で話しかけられ恐怖で声が震えながらも返事をすると、男は車の中から人が一人分入ってしまいそうな大きさのキャリーバッグを取り出して、私の目の前に置いた。
「百万ドル入っている。今日中に処分しろ! 分かったな!?」
「は、はい。分かりました」
男はそう言うと、車に乗って走り去っていく。いや、百万ドルってどういうこと? そもそも何で私? 百万ドルって何円なの? 処分ってどうすればいいの? とか、疑問が百個くらい頭の中を駆け巡る。
少しして、とりあえずこのお金はやばそうだからどうやって処分すればいいか思案にくれる。スマホで百万ドルを日本円で換算してみると、一億円を超える金額ということが判明した。こんな大金、一日で消費出来るわけがない。ひとまずチワワの散歩を終わらせて、三時のおやつを食べながら色々考えて、私はある場所に向かった。
家から歩いて三十分ほどの場所にある海岸に着くと、私はキャリーバッグを海にぶん投げて、コンビニでアイスを買って帰った。
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